本研究では,通常,水平,30度見上げた,45度見上げた起立動作を行い,筋活動,下肢の負担感,安定感,所要時間,肩峰の動作を明らかにした.通常の起立動作では肩峰の前方への移動が大きく腰部の筋活動が高かった.また,視線を固定した場合,腰部の負担が少なくなる代わりに,下肢前面の筋活動が高くなった.視線を固定することは,腰部の屈曲を減少させ,下肢前面の筋を使って起立する.このことは,腰痛が強い患者を介助する際に活用できる可能性がある.ただし,45度では安定性に欠ける場面があり実施する際には注意を要する.
|