肥満は褥瘡有病率や創傷治癒遅延に関連があることが報告されている。しかしながらその発症メカニズムや予防ケア方法に関する研究は非常に少ない。本研究では、肥満による皮膚の脆弱化の予防にむけて、肥満が皮膚に及ぼす影響の中からエラスチン線維に着目して解析した。肥満モデルマウスの皮膚組織を解析し、エラスチン分解酵素であるNeprilysin(NEP)発現量の増加が明らかとなった。次に、ヒト皮膚組織を用いて検証した。その結果、日本人の軽度な肥満でも真皮のエラスチン線維が減少していることが示された。今後は、モデルマウスで見出したメカニズムを中心に、ヒト皮膚組織を解析し、予防法の確立につなげる。
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