患者理解を深める手法の一つとして、看護師は表情の観察を行う。本研究では、基礎的研究として、作為的表情表出に伴う表情筋活動の部位や強さの変化を視覚的に捉え、表情との関連性について検討することを目的とした。表情筋電位を顔面上に配置した電極から測定しトポグラム分析を行った。トポグラムは、顔面全体の筋活動の位置や強さについて、色彩の変化、広がりを清明に捉え、表出の特徴を分類した。幸福な表情の特徴において、大頬骨筋などの領域を含む顔面の下部の活動が捉えられた。嫌悪表情では、皺眉筋を含む領域の特徴的な変化を捉えたが、不快感情に伴う表情は抑制されやすく、個々において表情発信の強弱のあることが明確となった。
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