研究課題/領域番号 |
16K20728
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研究機関 | 沖縄県立看護大学 |
研究代表者 |
高橋 幸子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 助教 (60344975)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 経管栄養法 / 看護技術 / 技術修得 / シミュレーター / 看護基礎教育 |
研究実績の概要 |
【文献検討と試作品の作成】 試作品を作成するにあたり、看護基礎教育課程で活用する経管栄養法シミュレーターに必要な要素を明らかにするために、基礎看護技術の教科書に記載されている経鼻胃管栄養法に関する内容を比較検討し、修得が必要な要素を抽出した。Ciniiを用いて過去10年間の図書でキーワードを「基礎看護技術」として検索し、書籍のタイトルから経管栄養法とは関連がないものを除外した10件の文献を分析対象とした。分析の結果、看護基礎教育課程において経鼻胃管栄養法で修得すべき内容は5つの要素「患者の準備」「流動食の準備」「胃管の位置確認」「注入中の観察」「注入後の観察」で構成されることが明らかとなった。以上から、各要素について技術演習で患者・看護者体験ができることを目指し、市販の経管栄養シミュレーターを参考にしながら、装着型経管栄養シミュレーターの試作品を作成した。 【臨床看護師・看護教員との意見交換】 A県内総合病院2施設の看護師10名、看護専門学校1校の看護系教員5名に対して、試作品のプレゼンテーションを行い、その後フォーカスグループインタビューで意見を聴取した。インタビューは研究協力者の承諾を得て録音し、逐語録に書き起こしてデータとした。収集したデータは、試作品の良い点・改善点について類似した内容をコーディングし、それぞれコードの類似性によってカテゴリー化してまとめた。結果に基づき、より実践的な技術修得に向けたシミュレーターとして活用するための方法ついて考察した。なお本研究は、研究者所属の研究倫理審査委員会の承認を受けてから実施した。結果から、経管栄養法のより実践的な技術修得に向けて装着型シミュレーターを活用するためには、経管栄養を受けている患者のリアルなイメージを学生が描けるようにすること、経管栄養法の重要な実施項目をもれなく演習できるよう工夫することが必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、文献検討に基づいた試作品の作成と、試作品に対する臨床看護師と看護教員との意見交換を計画していた。 計画通りに年度内に実施できたため、概ね順調に進展していると評価する。
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今後の研究の推進方策 |
【シミュレータの試作品のブラッシュアップ】 文献検討に基づいて作成した経管栄養装着型シミュレーターの試作品に対して、臨床看護師・看護教員から得た意見をまとめ、日本看護科学学会に学会発表を行い、学会参加者と意見交換を行い、試作品の改良点、演習での活用方法について、ブラッシュアップする。 【改良した試作品の活用と活用後の学生のからの意見聴取】 改良した試作品を用いて、研究者の所属する教育機関の学生に対し、演習を行う。演習後、演習を受けた学生を対象にアンケート調査を行い、改良した試作品に対する意見を聴取する。アンケート調査の結果から経管栄養装着型シミュレーターを評価し、今後の課題を提示する。 【研究結果の公表】 研究結果をまとめて、日本看護学教育学会へ論文投稿し、公開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は、シミュレーターの試作品を作成するにあたり、人を雇って作成する予定であったため、人件費を確保していた。しかし、試作品で作成したのは5点であり、全て研究者で作成し、人件費を使用しなくとも対応可能であったため、その分の使用額に差が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は、学生80名が演習できるよう、シミュレーターを作成するための、物品費、人件費が必要である。また、昨年度の研究結果から、より効果的な演習にするための物品を購入する必要がある。学生対象のアンケート調査の集計において、人件費が必要である。さらに、研究結果をまとめて学会発表するための学会参加費、旅費等で使用する。
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