研究課題/領域番号 |
16K20732
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
小西 美樹 獨協医科大学, 看護学部, 准教授 (00515869)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 新生児看護 / NICU / 看護技術 |
研究実績の概要 |
研究の目的は、本邦においてNICU看護師による注射・採血実践に合意形成されていない現状を踏まえ、NICU看護師が抱える漠然とした不安や看護管理者の認識 を明らかにした上で現状に即した教育パッケージを開発し、臨床現場へ導入し、評価することである。 令和元年度は、総合周産期母子医療センターNICUを有する1施設と協力連携し、NICU看護師向け血糖測定の動画教材を試作し、研修に組み入れた。動画はyoutubeを用いた限定公開とした。研修前後と実践導入3か月後にNICU看護師55名を対象にアンケート調査を行った。動画教材は手技の理解を促進するものであり、実践することへの心配を解決するものであった。実践導入後の調査からは、血糖測定の安全な実施に効果的であったことを確認した。また、注射・採血実践が看護師の役割であるかを質問項目に含めたが、「どちらともいえない」との回答が多数を占めており、意識改革の必要性が示唆された。 また、昨年度実施した看護師へのインタビュー調査をまとめ、国際学会で口演発表した。世界各国の学会参加者との情報交換により、NICU看護師が注射・採血を実施していないのは日本特有の状況であることを再確認した。この背景として、世界各国と比較して日本の医療現場では医師の責任範囲が広く権限が大きいのではないか、1日に看護師が受け持つ患者数が多いのではないか、との助言を得た。本研究目的の達成には、日本の医療現場風土に即する形で、安全にNICU看護師が注射・採血を行い、患者へ貢献する方策を考慮し、研究を遂行する必要が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成29年度の研究代表者の病気療養により、NICU看護師向け注射・採血実施のためのトレーニング教材の開発と検証が遅延し、研究計画全体が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査結果を踏まえ、臨床現場の協力を得て、NICU看護師向け血糖測定の動画教材を試作した経験を活かし、他の注射・採血手技についても教材開発を進め、順次オンライン上で公開する。教育効果を評価すべく、臨床実践導入をさせていただける施設の募集を引き続き行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
これまでに実施予定であった注射・採血トレーニングデバイス作成とオンラインでの動画教材公開が終了しておらず、その費用を次年度へ繰り越し、事業延長している。
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