研究課題/領域番号 |
16K20732
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
小西 美樹 獨協医科大学, 看護学部, 准教授 (00515869)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 新生児看護 / NICU / 看護技術 / 看護師の役割拡大 / タスクシフト |
研究実績の概要 |
研究の目的は、本邦においてNICU看護師による注射・採血実践に合意形成されていない現状を踏まえ、NICU看護師が抱える漠然とした不安や看護管理者の認識を明らかにした上で現状に即した教育パッケージを開発し、臨床現場へ導入し、評価することである。 令和2年度は、総合周産期母子医療センターNICUを有する1施設と協力連携し、看護師がNICU/GCU入院患児の血糖測定を実施するための研修を評価した。看護師55名を対象とし、研修前50名(回答率90.9%)、研修後49名(回答率89.1%)、実践導入3か月後35名(回答率63.6%)からアンケートの回答を得た。 研修前のNICU/GCU入院中の児を対象に血糖測定を行うにあたっての心配として、未熟な手技、穿刺部位や方法、血液量の不足、正確な測定、児の害や負担などが挙げられた。研修後には、心配だったことは「十分解決された」(58%)「まあまあ解決された」(42%)との回答だった。実践導入後では、心配に思っていたことは「十分解決された」(63%)「まあまあ解決された」(37%)となった。 看護師が血糖採血を行ってよかったと思ったケースとして、児のStateに合わせた介入できる、医師を待つ時間がなくなる、血糖値を把握できる、鎮痛やなだめケアができる、児へ優しい看護ができる、などであった。一方、うまくできなかったり、困ったりしたケースとして、血液量が不足して測定できない、介助の看護師を含め看護師2名が確保できない、デバイスのトラブルがある、異常値は自分の手技のせいかもしれない不安、スタッフの技術不足を目にする、などがあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究成果の発表の場として日本新生児看護学会のテーマセッションに採択されていたが、COVID-19流行のため学会が延期となった。 注射・採血手技を看護師の役割として導入するための研修と評価を実装できる施設を募集する予定であったが叶わず、研究計画が中断している。
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今後の研究の推進方策 |
延期となっている日本新生児看護学会のテーマセッションは、令和3年5月開催予定である。看護師による血糖測定導入の研修と評価の研究成果を発表し、その他の注射・採血手技の研修と評価を実装させていただける施設を募集する。COVID-19流行の状況から協力施設が得られないことも考えられるため、教材と評価ツールの作成を進めておき、引き続き協力施設を募集していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
協力施設を得てから実施予定であった注射・採血トレーニングデバイス作成とオンラインでの動画教材公開が完了せず、その費用を次年度へ繰り越し、事業延長している。
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