研究課題/領域番号 |
16K20733
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
八木 街子 (佐伯街子) 自治医科大学, 看護学部, 講師 (60610756)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療安全 / eラーニング / 医療事故情報 |
研究実績の概要 |
本研究では,医療安全教育のためのストーリー型eラーニング教材と自己学習支援システムを開発し,また,教材の学習効果と学習意欲への影響に関して評価を実施することを目的とした. 平成29年度は,事故事例の背景にある原因に着目し,「医療事故情報収集等報告書」内の事故事例から,平成28年度に作成した5事例も含めて,「胃ろう管理」「気管カニューレ管理」「転倒」「血糖管理薬剤の使用」「左右取り違え」に関して,根本原因分析を実施した上でeラーニング教材を設計した.教材の構成は,①状況設定の説明,②病室への入室と観察ポイントの確認,③医療安全のために必要な実施内容の確認,④実際の事例で生じた医療事故ないしはヒヤリ・ハットの内容の確認,⑤病室への入室時のポイントの再学習とした. 作成されたeラーニング教材は,医療機関に勤務する看護師(平均年齢43.6歳,平均勤務年数16.6年)を対象に教材の学習効果と学習意欲への影響に関して調査を実施した.問題数,解答に要する時間,見やすさ,文字のサイズ,画面のデザインに関しては,満足度が高く,難易度に関しては普通という評価が得られた.教材への意見としては「解答時に文字が重なるような操作があるが,文章が読みにくくなるため改善してほしい」「求めている答えが分かりにくく,事故事例に関して分かっている人が考えた内容のように感じた.より詳しい説明が初心者には必要なのではないか.」が得られた. 同時に実施している医療安全に関する多職種連携に関する演習とeラーニングとのブレンド型学習に関しても,実施した結果について研究報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
eラーニング教材はすでに10事例あり,それぞれ看護師を対象として試用しその具体的な結果を得ることができている.得られた結果をもとにした教材の改善も実施できており,進捗状況は順調であるといえる.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度はeラーニング教材の追加だけでなく,操作面での改善も視野に入れて研究を進める予定である.調査は,主観的調査(教材の難易度、教材の量、視覚性、操作性、有効性、川上らのCourse Interest Survey日本語版尺度を参考に作成した学習意欲に関する評価)と、客観的調査(学習支援システムのログ上のeラーニング内のテストの正解率、学習終了までの経過時間、複数利用回数、eラーニング経験の有無など)との相関により学習効果及び学習意欲を継続して査定する。)また,eラーニングと演習のブレンド型学習に関しても質問紙調査ならびにインタビューによる調査を実施した上で,データベースの構築を完了する.
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた学会に校務により日程が合わず参加できなかったため次年度使用額が生じた.次年度は同学会に参加し研究報告ができるようにし,使用する.
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