研究課題/領域番号 |
16K20736
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
野々口 陽子 同志社女子大学, 看護学部, 助手 (00756207)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 看護師 / 交代制勤務 / 朝型-夜型 / 睡眠-覚醒リズム / アクチグラフ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、夜勤・交代制勤務に従事する看護職員の健康行動を促進するための、健康教育や介入に役立つ支援プログラムの内容を検討し作成する基礎資料を得ることである。本年度は研究1として、2交代制及び3交代制勤務に従事する看護職員を対象に睡眠-覚醒リズムの実態をアクチグラフで解明し、質問紙で捉えた朝型-夜型やストレスとの関係を明らかにするための調査を進めた。 平成29年度は前年度のプレテストを踏まえ計画を修正し本調査を開始した。本調査では、2施設で募集した20名の3交代制勤務に従事する看護師の協力を得ることができ、得られたデータについては順次解析をおこない個々にフィードバックを実施した。 また前年度のプレテストで得た3名の看護師の結果について学会発表をおこなった。その具体的な結果として、日本看護協会による勤務編成基準を超えた約16時間の2連続夜勤に従事していた1名の看護師は、本来約24時間周期であるはずの睡眠-覚醒リズムが乱れ、約12時間おきに振幅のピークが現れるサーカセミディアンリズムを認めた。さらに残る2名は体温変化に起床時または就床前に高くなるという安定性が見られたが、この看護師にはそのような体温の安定性が認められず、仮眠のタイミングが遅かったことや、睡眠-覚醒のサーカディアンリズムが維持できなかったことが、体温変化に影響を与えた可能性が考えられた。以上より拘束時間の長さだけでなく夜勤の連続回数についても見直しが必要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
調査期間の勤務シフトに統制をかけていること、物品の台数が限られており1度に4名しかデータが取れないこと、及び郵送によるやり取りで物品の返送の遅れがあることにより当初の計画より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
対象者の募集施設として新たな施設にも依頼をおこなう。一方で、勤務シフトを統制していること、物品の台数が限られていること、郵送による物品のやり取りであることを踏まえると、昨年度のペースを大幅に超える調査は不可能であると考えられる。また研究代表者の変更後の所属では結果の分析に必要な統計解析ソフトが備え付けられていないため、新たに購入が必要である。よって調査のペースや購入物品の追加による予算の状況から、研究1の予定被験者数を100名から60名に変更し、残りの2年間で研究1の遂行及び成果発表をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
協力者募集施設への年度末の実施状況説明のための旅費とする予定であったが、先方の都合がつかず、年度末に訪問できなかったため、平成30年度の実施における調整時の旅費として使用する。
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