本研究の目的は、夜勤・交代制勤務に従事する看護職員の健康行動を促進するための、健康教育や介入に役立つ支援プログラムの内容を検討し作成する基礎資料を得ることであった。 本研究を開始した初年度には、まず3名の看護師の協力を得てプレテストを実施した。その結果、夜勤編成基準を超える2連続夜勤や、夜勤中の仮眠のタイミングによって、睡眠-覚醒のサーカディアンリズムの維持に影響する可能性が考えられた。また、プレテストの参加者による内省報告から測定のタイミングや回答しにくい調査項目についての修正し、本調査の参加者を募集する施設との調整により、セルフモニタリングを実施する勤務シフトを可能な範囲で統制した観察スケジュールに変更し、本調査を開始した。 2年目以降は、順次、看護師59名(3交代20名、2交代37名)に協力を得て、睡眠習慣やストレスに関する調査とセルフモニタリングを実施した。具体的には、参加者は、研究者が指示した勤務シフトを含む連続した7日間において、非利き手にアクチグラフ(AMI社製)を装着して活動量を測定し、睡眠日誌を記載し、勤務前後には唾液アミラーゼ値のチェックを行った。また、特定の日には体温リズムと勤務前後の気分、睡眠衛生に関する質問、ストレス状況や朝型-夜型志向などに関する質問紙にも回答した。以上の実施中には、全参加者に各自の結果をフィードバックをおこなった。 本年度は、測定の不備のなかった46名のデータを解析し、朝型-夜型志向や、夜勤形態によって、ストレス状況、睡眠の質、休日の過ごし方などに違いがないかを分析した。
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