研究課題/領域番号 |
16K20737
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
岡本 朋子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (60512340)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 看護実践 / 省察的実践 / 看護師 |
研究実績の概要 |
H28年度は文献検討および研究方法の検討を実施した。 これには、学外から看護実践および看護教育に関する研究者を招聘し、Schon,D.の省察的実践論をもとに、看護師が自らの実践を通してどのように専門職として成長しているのか、Schon,D.が省察的実践における中核としている行為の中の省察における<わざ>について、検討を実施することができた。予備的検討に加え、研究者の先行研究の発表をクリティークする中で、看護師が、看護実践における状況をどのように捉えていたのか、まずは実践後の振り返りを通して、看護師が何を感じていたり、考えたりしていたのか、その場に入った時の身体的な感覚やその都度の判断(思考)に着目していくことが重要であることがわかった。また、検討を重ねる中で、以前からの課題であった、看護師が普段と違う方法で患者にかかわることには、患者の状態やそこでの看護師の感覚や判断が関連していることについても、明らかにする必要があることが明確になった。 以上により、看護師の身体的な感覚および判断を明らかにするための研究方法の検討が終了した段階である。その他にも、文献検討を行うことで研究デザインを明確にし、調査を実施するための書類なども整えている段階である。 しかし、研究計画した段階よりも、より詳らかに看護実践を語ることのできる看護師を探していく必要があることがわかったため、研究協力いただける施設および看護師を検討している状況である。その課題がクリアできれば、データ収集に臨めるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
H28年度は、文献検討および研究方法の検討、データ収集および分析を行う予定であった。文献検討および研究方法の検討では、学外から看護実践および看護教育に関する研究者を招聘し、Schon,D.(以下ショーンとする)の省察的実践をもとに、研究方法の検討を重ねることができた。その検討に加え、先行研究での課題(看護師が、看護実践における状況をどのように捉えていたのか、看護師が何を感じていたり、考えたりしていたのか、その場に入った時の身体的な感覚やその都度の判断(思考)に着目していくこと)も明確にすることができた。以上により、看護師の身体的な感覚および判断に基づく省察的実践の様相を明らかにするための研究方法の検討が終了した。しかし、これらの検討に大幅な時間を要したたため、データ収集および分析には至っていない状況である。 また、研究計画立案時よりも、より詳らかに看護実践を語ることのできる看護師を探していく必要があることがわかったため、研究協力いただける施設および看護師を検討することにも時間を要している。 以上のことから、研究方法の検討は終えられているものの、データ収集および分析に至っていないため、遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度以降は、データ収集および分析に向けて、以下の通りに研究を進める。 まず、データ収集に入れるように、研究協力施設および研究参加者(看護師)の決定をする。プレテストも実施し、データ収集に入る。H28年度にデータ収集が実施できなかった分に関しては、H29年度およびH30年度に3~5名の看護師に協力をいただくことで後れを取り戻せるようにする。 収集したデータの分析から得られたことは、次のデータ収集に生かすことで、よりよいデータを収集できるように努める。また、分析結果は学会でも発表し、いただいた意見などを生かして、次のデータ収集をよりよいものとしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも研究の進捗状況が遅れているため、データ収集および分析で発生すると考えられた諸経費を使用することがなかったため、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
H29年度は、データ収集および分析を進めていく予定であるため、それに伴う物品類の購入、データ分析のための諸費用、謝礼の支払いを実施する。
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