研究実績の概要 |
2019年度は、データ分析および件時点での研究成果に関する発表を行った。 看護師は、患者と場を共有した時点から自らが受け止めた患者の反応や観察したことを、自らの行為によって確かめることで、どのように看護を行っていくのかを判断していることがわかった。その際に看護師は、観察したことに加えて、診療記録および看護記録のデータを手がかりとし、自らの行為によって確かめ続けることで、より正確に患者の状態を把握し続けていたことがわかった。 看護実践においては、看護師が自らの感覚を受け止めることで行為が生まれ、その行為によって知覚した事象に立ち返りながらまた次の行為が見出されることが明らかとなった。また、看護師は、これまでの経験と専門的知識に基づき、自らの感覚を用いて患者が体験している感覚を捉えるという相互主観的関係において行為し思考することで、看護実践がなされていることもわかった。 以上のように看護師が感覚をもとに行為しつつ思考できるのは、これまでの実践の中で培ってきた経験が蓄積されているからであり、それを目の前の状況に合わせて生かすことで、未知の状況にも対応することが可能になっているといえる。 以上により、昨年度の課題であった、看護実践について、Schon,D.の省察的実践論だけでは分析できない部分をどのように分析するのか、についてはクリアすることができた。
|