研究課題/領域番号 |
16K20742
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
池田 智 福岡大学, 医学部, 助教 (90759268)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 小1の壁 / 看護職 / 就業継続困難 / ストレス |
研究実績の概要 |
本研究は「小1の壁」問題に直面した看護職員にインタビューを行い、看護職員のストレッサーと就業継続困難となったプロセスを明らかにすることを最終目的としている。平成28年度は、「小1の壁」問題に関連した国内外の文献資料を収集し、「小1の壁」と称される問題を明確にし、整理・分類し文献レビューの作成とインタビューガイドの作成を行ったが、データ収集までには至らなかった。平成29年度は主に研究対象者にインタビュー調査を行い計2名のデータ収集・分析が終了した。「小1の壁」問題は単に学童保育の不足や保育時間に関連する問題ではなく、子が小学校就学の移行期に生じる様々な心理社会的問題であることが分かった。具体的には、子を養育する親としての役割内における葛藤や、子を養育しながら働かなければないらない役割間における葛藤がある。さらには、家庭内における問題や、地域における問題、そして小学校との関わりに関する問題と様々な要素に分類する事ができ、それらは複合的に絡み合い複雑な様相を呈していた。 平成29年度の時点で研究対象対象者が非常に少ない状況かつ、放課後児童クラブ(学童保育)は国から大まかな基準が定められているものの地域によって異なっている為、全国から対象者を募集するような工夫を行わなければならなく、「小1の壁」問題に取り組んでいる民間団体や医療機関等の協力を経て対象者を募集した。平成30年度は民間団体や医療機関等の協力のもと、2名の研究対象者へのインタビューを実施した。データ分析の結果、新たに抽出されたストレッサーとしては子供の養育と看護職のキャリアプランの葛藤や、就業時間、勤務先と居住地間の物理的距離、学童保育等の利用時間等が挙げられた。 今後は研究対象候補者3名へのインタビューを予定しているため、データ収集後早急に分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
目標対象者数は当初7名としていたが、選定条件に合致する対象者が少ない状況であったその為、ワークライフバランスや子育て支援に注力している民間団体や医療機関等の協力を経て全国から対象者を募集を行い、研究対象候補者を確保した。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象候補者の目標数には達した為、早急にデータ収集、分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 当初予定していた研究計画よりも遅れが生じ、データ収集に伴う旅費の使用ができなかった。また、平成30年度は国際学会での発表を予定していたが、研究が終了しなかったためその費用を使用しなかった。 (使用計画) インタビュー調査に伴う旅費、テープ起こし・分析に伴う人件費、国内・国際学会発表旅費、研究会参加等に使用する予定である。
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