研究課題/領域番号 |
16K20753
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
寺尾 奈歩子 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (40727450)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢糖尿病患者 / 在宅療養 / 介護支援専門員 / 血糖コントロール |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、病院で実施されている糖尿病療養指導を患者が在宅で適応する際の課題や、訪問看護の導入が必要な対象者の特性を明らかにすることで、患者のセルフケア支援と合併症の早期発見を目的として訪問看護の導入を検討するための基礎資料とすることである。調査は①高齢糖尿病患者に関わる介護支援専門員が困難と感じていること、②在宅高齢糖尿病患者が療養に関して困難と感じていることの2つを計画しており、本年度は調査①として、「高齢2型糖尿病患者に関わる介護支援専門員を対象とした指導・支援上の困難に関する調査」を計画し実施した。 調査①は、介護支援専門員が、在宅療養中の高齢糖尿病患者を支援する際に感じている血糖コントロールを困難にしている要因を明らかにすることを目的とし、調査を開始した。対象者は、介護支援専門員として5年以上勤務している者で、高齢糖尿病患者と関わった経験を有し、高齢糖尿病患者の在宅療養に関して自身の経験や考えを述べることができると管理者が推薦した者とした。 調査は、平成28年8月29日に所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得た後開始した。研究対象者は、研究者と共に糖尿病看護に関する活動を実施している糖尿病看護認定看護師と在宅看護および高齢者看護の専門家、1番目にインタビューを実施した介護支援専門員からそれぞれ紹介をしていただき、文書と口頭で同意を得た。 研究倫理審査委員会の承認後から3月31日までの期間に、3名の介護支援専門員にインタビューを実施した。現在3名の逐語録を作成し、今後のインタビューや分析に関して、専門家のスーパーバイズを受ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は15名の対象者にインタビューを実施する予定であったが、現在3名のインタビューにとどまっているいる。理由としては、①研究者がインタビュー内容を逐語録におこす作業が不慣れで時間がかかった、②1名の逐語録作成後に糖尿病看護認定看護師や高齢者看護の専門家に助言をいただき、インタビュー内容を検討した上で次の対象者のインタビューを行うという方法を取っているためインタビューを行うまでに時間がかかった、③研究対象者との日程調整に時間がかかったことが考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はインタビュー内容を逐語録におこす作業を外部に委託することで、逐語録におこす時間を短縮し、分析に少しでも早く取りかかれるようにする。また、対象者一人ずつのインタビュー毎に専門家のスーパーバイズをいただくのではなく、10名程度のインタビューを連続して行い、分析を行う。分析を進める中で、足りない情報等があれば、再度インタビューを追加で行うという方法を用いることで、データ収集と分析の時間の短縮化を図ることができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
上述の通り、研究の遅延に伴い未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は新たに外部委託のテープおこし費用(30万円)が発生すると考えている。また、インタビュー協力者に支払う謝金(約15,000円)、インタビューデータを保存するためのハードドライブディスク(約3万円)、研究の説明やデータを印刷するためのトナー代、紙代(約5万円)が予定通り必要である。
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