研究課題/領域番号 |
16K20757
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
霜山 真 宮城大学, 看護学群(部), 助教 (00626559)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 慢性呼吸不全 / 遠隔看護 / 遠隔医療 / セルフマネジメント / セルフケア / QOL / 非侵襲的陽圧換気療法 / 身体活動量 |
研究実績の概要 |
本研究は、タブレット端末用の双方向型遠隔看護システムを開発、在宅療養中の慢性呼吸不全患者への効果検証を行い、遠隔看護支援プログラムの構築を目的とした。具体的には、①タブレット端末機器で操作可能な双方向型遠隔看護システムの開発を行う。②開発した遠隔看護システムを用いて、身体活動量やバイタルサインなどの身体状況の可視化を通じ、慢性呼吸不全患者のセルフケア能力および身体活動量向上を検証していくことである。 今年度は主に身体状況の可視化を用いた双方向型遠隔看護システムの開発に取り組んだ。開発した本システムの内容として、①活動量計や血圧計などで得られた情報をタブレット端末へ容易に入力できること、②入力した情報がグラフ等で可視化されること、③患者自身が生活上で必要な知識を学べるような教育資材、④患者-医療者間における速やかな連絡手段である。本システムが患者の生活上で生じた困難時のコミュニケーションツールとなることを期待し、開発を行った。必要時には電話やSkype等のビデオ通話による患者指導を行うことが可能である。 現在、研究協力機関に依頼し対象者の確保を行い、非侵襲的陽圧換気療法を行っている慢性呼吸不全患者24名に臨床試験を開始している。評価指標としては、COPD における疾患特異的な健康関連QOL 尺度であるSt. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)、客観的な指標として、活動量計メディウォーク(テルモ社製)を用いた身体活動量、呼吸機能検査値を測定し、3カ月後、6カ月後に効果検証を行っている状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度の目標であった遠隔看護システム開発を取り組みながら、複数の研究協力施設の開拓および患者確保を行うことができている。目標とする患者数には届いていないものの、県内の各地域の中核医療機関の倫理委員会の承認を得ており、患者を確保する見込みは付いているため、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は主に各施設の対象患者からのデータ収集を行うこととなる。その場合、各施設の研究窓口となる看護師または医師との円滑なコミュニケーションが必要であると考えられる。研究窓口担当者とともに意見交換をしながら、患者が不利益なくデータ収集できる環境の確保、外来受診日時の確認、対象患者との連絡手段の確認等を行い、研究を遂行していく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
システム開発のために、次年度分予算の前倒し請求を行い、開発費に充てた。しかし、予定より開発経費が安価であったため、余剰金が発生した。次年度使用額については、研究成果発表時の学会参加または国際学会誌への投稿時の費用として使用する見込みである。
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