研究課題/領域番号 |
16K20766
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
佐竹 陽子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (90641580)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 救急看護 / 緩和ケア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、救急領域における緩和ケア実践プログラムを開発し、緩和ケアシステム構築への示唆を得ることである。 平成29年度は、本研究の基礎資料を得るために、現在の救急領域における終末期ケア実践に伴う課題を明らかにし、緩和ケア実践プログラムの開発に必要な内容を検討することを目標とした。第一段階では、実践に伴う課題として看護師の葛藤に焦点を当て、救急領域で終末期ケアを実践する看護師の葛藤の構造と葛藤に影響する要因を明らかにすることを目的に調査を実施した。全国の救命救急センターが設置されている施設から単純無作為抽出した施設に研究協力を依頼した。承諾を得た施設の看護師524名を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した。結果として、290名(回収率55.3%)の看護師より調査票の返送があり、有効回答は288部であった。項目分析、因子分析の結果、終末期ケアを実践する環境、患者やその家族へのケア、終末期ケア実践能力などに関する31項目7因子が得られた。また、葛藤に影響する要因として、緩和ケアチーム、認定看護師、専門看護師の介入やカンファレンスの開催など終末期ケアの支援体制があった。葛藤への対処としてのセルフ・コンパッション(Self-compassion)が、バーンアウトや終末期ケア態度にどのように影響するか、今後さらに分析を進める予定である。 また第二段階として、救急医療チームに対するフォーカス・グループ・インタビューを実施し、それぞれの専門性に基づいた実践とその課題を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析に時間を要し、フォーカスグループインタビューの実施が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、看護師の葛藤の構造と影響要因を整理するとともに、救急医療チームへのフォーカスグループインタビューを実施し、緩和ケア実践プログラムに必要な内容を明確化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析に遅れが生じているが、インタビューが実施できれば予定通りの執行となる。
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