本研究の目的は救急領域で終末期ケアを実践する看護師の葛藤に着目し救急領域の緩和ケアシステム構築への示唆を得ることであった。 救急看護師に無記名自記式質問紙調査を実施し288名から回答を得た(有効回答率55.0%)。葛藤は〈自身の終末期ケア実践能力への葛藤〉〈医療チームとの関係性に関する葛藤〉〈終末期ケアを実践する環境に関する葛藤〉〈意思決定に関する葛藤〉〈家族ケアに関する葛藤〉〈患者の苦痛に関する葛藤〉〈救急医療の限界への葛藤〉7因子31項目で構成、緩和ケアチームの介入が関連していた。葛藤をセルフケアできるための看護師への心理的支援、救急の特性を考慮した緩和ケアシステムの構築が必要である。
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