研究課題/領域番号 |
16K20778
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研究機関 | 人間環境大学 |
研究代表者 |
大林 実菜 人間環境大学, 看護学部, 助教 (80590009)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 慢性心不全 / 末期・終末期ケア |
研究実績の概要 |
慢性心不全末期・終末期において、看護師はチームの中心となってケアを行うことが求められており、ケアの質向上のため末期・終末期ケアの質評価指標が必要と考える。本研究は臨床看護師が評価できるケアの質評価指標の開発を行い、同時に末期・終末期ケアの実態についても明確化することを目的としている。 当初の研究計画では、初年度に末期・終末期ケアに関する実態調査を行ったうえで指標を作成する予定だったが、文献検討により指標を作成後、実態調査を行う計画へ変更した。 初年度は、質評価指標作成における基礎資料として、ケアの質指標の構成要素と現状課題を抽出する目的に文献検討を行った。その結果、ケアの構成要素は、<意思決定支援>4カテゴリー、<身体的・精神的苦痛の緩和>5カテゴリー、<家族へのケア>5カテゴリー、<より良い末期・終末期ケアを目指した体制作り>2カテゴリーの4要素16カテゴリーから構成された。 慢性心不全末期・終末期ケアについて、早期からの意思決定支援を継続的に行うことや、心不全症状に対する苦痛の緩和、悲嘆の援助も含む家族へのケアやチーム医療で介入する支援体制が必要であることが分かった。同時にそれら意思決定支援が実際には思うようにいかない現状や支援体制不足などが課題であることも明らかとなった。今後の慢性心不全末期・終末期ケアの質評価指標作成に向けた基礎資料として文献検討結果は有用だったと考える。今後、文献検討結果だけでなく、ガイドラインや循環器分野のスペシャリストからのスーパーバイズも受けながら慎重に指標項目を作成していき、指標開発につなげていきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献検討とガイドラインからおおよその指標項目は作成することができたが、文献検討に少々時間がかかった。今後のデルファイ法による専門家への質問紙調査と臨床看護師への実態調査実施の期間を考慮すると、やや遅れている状況であると言える。
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今後の研究の推進方策 |
作成した指標項目についてスーパーバイズを受けながら精選し、平成29年度は専門家へデルファイ法による質問紙調査を行い、指標開発を行う。平成30年度は開発した指標を用いて臨床看護師へ実態調査を行い、慢性心不全末期・終末期ケアの実施内容・現状・課題について明らかにし、指標の有用性についても検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画を一部変更し、初年度は文献検討のみとなったことから予定よりも少ない使用金額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
今後はスーパーバイズを受けるスペシャリストへの謝金、質問紙調査実施に伴う郵送料や印刷費、データ整理に伴う人件費や調査実施に必要な消耗品費などが必要となるため、前年度未使用額も合わせて使用する予定である。
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