研究課題/領域番号 |
16K20783
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
萩原 智子 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (20746549)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肺がん / 化学療法 / 療養生活 / 看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、①化学療法を継続する進行肺がん患者を対象に治療や療養生活における困難と対処、療養生活における支援の要望、②看護師を対象に患者を支援する中での困難や支援内容、患者支援として整備すべき事柄を治療段階別に明らかにし、化学療法の治療段階に沿って進行肺がん患者の療養生活を支援するプログラムを開発することである。 平成28年度は、化学療法を受ける肺がん患者の困難と対処に関連する文献検討および研究データ収集を行った。文献検討の結果、治療ラインに着目した研究は少なく、初回化学療法や化学放射線療法に焦点をあてた研究、外来化学療法を受ける患者の苦痛など治療の場に焦点をあてたものが散見された。初回化学療法を受ける患者に焦点をあてた先行研究に関しては、看護支援への示唆が得られており、今後プログラムを開発するにあたり、参考文献として検討していくことが可能と考える。現在、学術誌への論文投稿に向けて、文献検討の結果をまとめている。 データ収集については、研究協力施設の倫理審査委員会への申請を行い、目的①である化学療法を継続している肺がん患者を対象に、半構成的面接調査を行った。 現段階では合計9名(1次治療4名、2次治療1名、3次治療4名)の調査を行い、質的帰納的に個別分析を進めている状況である。得られたデータは個別分析を行った後、治療段階別に全体分析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度の研究計画は、化学療法を受ける進行肺がん患者15名(1次治療5名、2次治療5名、3次治療5名)に半構成的面接調査を実施し、データ分析を行う予定であった。しかし、研究対象者紹介日の状況により、治療ラインにばらつきがあった。そのため、現段階では合計9名(1次治療4名、2次治療1名、3次治療4名)の調査にとどまっている状況であり、データが不足している。
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今後の研究の推進方策 |
研究目標1である化学療法の各治療段階にある肺がん患者の調査として、データが不足しているため、継続的に半構成的面接調査と治療段階別の質的分析を行う。さらに、平成29年度は、研究目標2の化学療法を受ける進行肺がん患者のケアを行う看護師へ半構成的面接調査および質的分析も目標1と平行して実施する。 また、平成29年度は、研究成果として、目標1の結果に関する学会発表および情報収集、文献複写等の費用を計上している。当初の予算通りで予算の執行を行い、研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたがん化学療法に関する図書代を使用しなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
事務用品、予定している国際学会発表旅費および参加費、英文校閲費、文献複写費として使用する。
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