侵襲の高い腰椎穿刺や骨髄穿刺を繰り返し受ける子供の中には、繰り返し経験することで緊張や不安が増大する子供や、苦痛・抵抗がより一層高まる子供がおり、経験や子供の特徴に合わせたプレパレーションが必要である。苦痛を伴う検査・処置を繰り返し受ける子供へのプレパレーションは、経験や行動特徴をアセスメントし個別性に合わせて行う必要があるが、その具体的方法は未だ確立されていない。そこで本研究では、腰椎穿刺・骨髄穿刺を繰り返し受ける子供の特徴をアセスメントし、個々に合わせたプレパレーションを導くための『アセスメント・ガイドライン』を開発することを目的とした。 これまでに腰椎穿刺・骨髄穿刺を繰り返し受ける子供の対処行動やその変化の特徴を明らかにするために縦断的調査を実施し、それぞれの事例の経過と治療状況、検査前後の様子から、幼児期の子供の特徴と学童期の子供の特徴を明らかにした。当初は、子供の対処行動をアセスメントする項目をガイドラインとして作成する予定であったが、これまでの調査結果から、腰椎穿刺・骨髄穿刺を繰り返し受ける子供の変化は個別性が高く、またいくつかの状況が影響することから、パターン化してガイドラインを作成するよりも、対処行動に影響する要因として必要な項目を抽出し、それらを整理してまとめた方が、子供の特徴を捉え、臨床現場で活用できるものになると考えられた。そこで、対処行動の特徴が異なる幼児期の子供と学童期の子供それぞれにおいて、繰り返し腰椎穿刺・骨髄穿刺を受けるにあたり対処行動に影響する要因を抽出し、項目ごとに整理し、アセスメント・シートにまとめた。これは、繰り返し腰椎穿刺・骨髄穿刺を受ける子供の対処行動をアセスメントするために活用することができる。
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