研究課題/領域番号 |
16K20787
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
川口 めぐみ 福井大学, 学術研究院医学系部門, 講師 (40554556)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 統合失調症者 / 家族レジリエンス |
研究実績の概要 |
29年度は、統合失調症者家族の家族レジリエンスを明らかにするための質問紙調査および家族レジリエンスの獲得過程についてのインタビュー調査を引き続き実施した。29年度、質問紙調査は64名、インタビュー調査については20名の調査を終了した。29年度の後半は、これらの調査により得られたデータから、本研究の調査参加者となった家族と同年代である65歳以上の高齢者の家族レジリエンスの実態および家族が統合失調症者の発症から地域での生活を継続していくまでにどのように付き合っていったのかについて家族の経験を分析し、学術誌にて発表した。 家族レジリエンスの実態および統合失調症者の地域での生活継続に焦点を当てた家族の付き合い方についての調査報告はなく、意義のある結果が得られた。 調査結果の主な内容として、家族は、統合失調症者の発症当初は自立への期待を捨てきれず、再発を繰り返す統合失調症者への対応に迷走していた。しかし、家族会に所属することで、統合失調症についての学びを得ることや統合失調症者とともに生きるための対処を学ぶことができていた。そして、このことは、家族が統合失調症者の回復の限界を認識することに繋がっていた。家族は、統合失調症者の回復の限界を認識することで、完治を諦め、統合失調症者なりの生活を受け入れることができ、家族レジリエンスは高められていた。しかし、生活を受け入れる一方で、家族が年齢を重ねるにつれ、統合失調症者の自立への捨てきれない望みが沸き上がり、生活を受け入れることとの間で葛藤を生んでいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画に沿って調査を進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画当初は、統合失調症者との続柄を限定せず、同居家族すべてを調査対象としていた。しかし、29年度までに実施した調査では、調査参加者のほとんどが家族会に所属している統合失調症者の親となった。そのため今後は、家族会所属以外の親や親以外の続柄の家族についての調査を継続的に実施し、比較検討していく予定である。 また、31年度には、すべての調査の結果から家族レジリエンスを高めるための看護支援プログラムの作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
29年度は、研究者の妊娠および出産があり、当初予定していた成果発表のための国際学会および国内学会への参加を見合わせた。30年度に29年度得られた成果の発表を実施する。 また、28年度に当初の計画よりも早く調査が進んだ。そのため、29年度は、調査参加者への謝金の支出が当初の計画より少なくなった。しかし、29年度の調査結果から、家族の背景を拡大して調査を実施する必要性があることが課題として出てきたため、30年度は新たな家族へ調査を実施する。
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