研究課題/領域番号 |
16K20794
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
山本 真実 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授(移行) (90710335)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 対話 / ナラティヴ / 子ども / 家族 / コミュニケーションの困難さ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、平成26・27年度に実施した研究結果をもとに、自閉症スペクトラム障がいのある子ども自身が語る自分自身について明らかにすること、家族が語るその子について明かにすることであり、子どもや家族にとって、自分自身/その子について多様な意味が生じる対話がどのような経験であるかを明かにし、対話という看護者の役割を提案することである。 上記の目的に向かい、平成28年度は、子どもと申請者の対話、および家族と申請者の対話による調査を実施し、子ども自身が語る自分自身、そして家族が語るその子についてデータを収集した。また平成29年度に行う子どもグループでの対話に向けた準備を進めた。詳細は以下のとおりである。 ①今回の研究開始にあたり、研究倫理申請をし承認を得た。研究参加者を募集し、新たに1家族から参加の同意を得て、子どもと申請者の対話、家族と申請者の対話による調査を行った。これにより、新たなデータを追加でき、子どもや家族にとっての対話の意義について示唆を得ることができた。また平成26・27年度の研究結果を含め、複数の事例を分析する分析方法について文献から学び、全体的な分析に向けた視点を検討した。 ②平成29年度に実施する子どものグループでの対話に向け、子どものグループ活動に関する文献検討を行った。また、コミュニケーションの困難さを抱えるこどもやその家族が集う場において、子どものグループでの対話について意見を聴き、子どもが求める話題や活動内容について把握した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度の実施計画では、複数の家族を研究参加者とし、子どもと申請者、家族と申請者の対話を実施し、平成27・28年度の研究結果を含めたデータ分析を行う予定であった。しかし、1家族への実施にとどまり、計画どおりの参加者への実施ができなかった。ただ、リクルート活動により、研究説明が可能な家族、研究に関心をもつ家族には出会っており、今後、研究参加の同意が得られる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、子どもと申請者、家族と申請者の対話によるデータ収集を継続し、データを追加して分析を行う。また子どものグループでの対話を実施し、分析の方向性を検討する。具体的に以下を行う。 ①子どもと申請者、家族と申請者の対話によるデータ収集と分析 現在、研究説明が可能な家族、本研究に関心をもつ家族とその子どもを中心に、研究の説明を行う。またコミュニケーションの困難さを抱える子どもと家族が参加する活動、サークルなどにおけるリクルートも引き続き行う。データ分析では、子ども・家族ごとに分析を進め、その後、全体の分析を行う。分析結果へのメンバーチェックも実施していく。分析結果については、国内・国外での学術集会にて報告する。 ②子どものグループでの対話を実施する 平成28年度の準備を受け、子どものグループでの対話を実施する。研究倫理申請の手続きを進める。その後、子どもと申請者との対話を行った者を中心に参加者を募る。子どものグループでの対話は、月に1・2回のペースで継続的に実施する。子どもグループでの対話は、2グループ程度に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に予定していた、子どもと申請者、家族と申請者の対話について、1家族のみの実施にとどまり、データ分析を十分に進めることができなかった。このため、データを管理するための物品費、データ収集や研究結果報告のための旅費やその他の項目、研究参加者への謝金等は次年度に支出する。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、研究参加者を増やしデータ収集とデータ分析、子どもグループでの対話を実施する予定である。これに加え、平成29年度は、当初の予定どおり、分析結果について国内・国外の学術集会で報告する予定である。平成28年度に繰り越しとなった費用を含めた平成29年度の経費を支出する予定である。
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