本研究は、保育器で過ごす子どもと母親の間の心理的距離に関して、母親・NICU看護師双方の認識とその関連要因を明らかにするとともに、NICU看護師が母子の心理的距離をアセスメントする際に有効な尺度の開発をすることを目的としている。保育器で過ごす子どもと母親が、NICU看護師から適切なアセスメントをもとに看護援助を受けることができるだけではなく、NICU看護師にとってはアセスメントの視点や適切な看護援助を考え実践することから、教育的意義も期待できると考える。 今年度は最終年度であったため、これまで遅れていた分を挽回し、アセスメント尺度を完成することを目標に取り組んだ。 そこで、これまで行ってきた文献検討を基に、尺度案作成を試みた。母親の面会状況、子どもへの興味、育児への意欲、現実の受け止めの程度、他家族員との関係性という5つの視点から質問項目を考え、最終28項目となった。母親の面会時の様子や言動、行動などから、NICU看護師が母親と保育器で過ごす子どもの心理的距離をどう捉えているのか、質問項目が妥当なのかという質問紙を作成した。
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