本研究は、はじめて親になる男性の親としての自信に焦点を当て、わが子が生まれてからの1年間の、それぞれの時期における親としての自信の特徴と、親とし ての自信を高めた経験と喪失した体験を明らかにし、「父親としての自信を高めていくための看護実践ガイドライン」の開発を目的としている。本研究者はこれ まで、早期新生児期における、はじめて親になる男性の、わが子と関わることによる経験と、面会の頻度や夫婦間のコミュニケーション、親の人格発達などの要 因との関係性を明らかにした。父親となっていく過程を継続的に支援するために、これまでの研究結果を基盤とし、さらに発展させていくものである。本研究の 1つ目の目標は、それぞれの時期における親としての自信の特徴を明らかにすること。2つ目は、それぞれの時期の親としての自信が高まった体験を明らかにする こと。3つ目は、それぞれの時期の親としての自信が阻害された体験を明らかにすることである。1~3の結果をもとに、「父親としての自信を高めていくための 看護実践ガイドライン」を開発し、その有用性を検証する。平成30年度は、父親、親になること、自信に関する先行研究をもとに、研究計画書、研究依頼に必要 な書類の作成を行い、本学看護研究倫理審査を受け、承認を得た。令和元年度は育児休暇取得により、研究を中断した。 令和2年4月、育児休暇から復帰し研究を再開するも、内諾を得ていた2つの自治体のうち1自治体は新型コロナウィルス感染症の蔓延のた辞退されたため、1つの 自治体と保育施設等からの紹介で研究協力を依頼した。 これまで、のべ23名の方にインタビューを実施し、現在は各時期ごとの特徴、親としての自信が高まった体験、親としての自信が阻害された体験を分析している。今後、学会発表の予定である。
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