ケースの調整が難しくすでに収集したデータについて再度分析を行った。 いずれの小児においても多くの訪問看護師が日替わりで関わっている状況があった。 母親は毎日誰かが来る安心感がある一方で関わる看護師全員に同じことを伝えなければならないことに負担感を抱えていた。いつもの状態と家族だけではわからない変化を母親と訪問看護師で共有することで受診のタイミングの見極めもしていた。 日々の関わりとしてのサポート感を母親は得ている一方で毎日をつなぐ連携やヘルパーといった他職種との連携においても母親が中心となって調整している現状が母親にとっての負担感となっていた。訪問看護事業所間では連携を行うタイミングは退院時のみで、いったん訪問が開始されると日程調整以外での連携はあまりなく、小児の訪問看護の経験が少ない事業所にとっては不安を抱きつつ関わっていた。 ケース間で類似している情報が多かったため全国調査ではなくケースを重ね連携の在り方についてさらに考察を行っていく予定であったが新型コロナウィルス感染症拡大に伴い調査を中止せざるを得ない状況となった。 今後は小児の訪問看護の経験の少ない事業所でも不安が軽減し、より多くの事業所が在宅で生活する医療的ケアを必要とする小児の看護を担うことができるよう研究を重ねていく。
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