研究課題/領域番号 |
16K20806
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
高山 充 東邦大学, 看護学部, 助教 (20623424)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 小児看護 / 身体拘束 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、小児病棟における身体拘束の実態を明らかにし、身体拘束を受ける子どもとその家族に対する心理社会的支援を検討することである。 初年度である平成28年度は、国内外の本研究テーマに関連する文献収集レビューを行い、研究動向を概観した。その結果、小児への身体拘束についての日本での看護研究は散見できるが数は少なく、その概念もさまざまであった。よって、当初の予定通りの調査を行うよりも、患者・保護者の体験を質的に明らかにすることによって支援方法を検討する必要があると考え、調査方法を半構成的面接法による質的記述的研究に変更した。その後身体拘束を受けた患児の保護者へのインタビューを実施するための準備を行った。インタビュー調査の対象の選定基準、分析方法、インタビューガイド作成に向けて文献検討を含め準備を行った。インタビュー対象は、0~6歳の間に入院し身体拘束を実施された患児の両親のうち、頻繁に面会に来ていた者とした。依頼方法も研究協力者に対してパワーが働かないよう配慮し、小児病棟でポスターを掲示し、研究協力者自身が研究者に連絡する形とした。インタビューガイドの作成にあたり、用語の定義の見直しや質問内容の吟味、インタビュー時間や倫理的に配慮する必要のある内容の検討等を行った。インタビュー内容は、①研究協力者および患児の個人属性、②身体拘束の実施にあたっての患児の体験と患児への支援について、③身体拘束の実施にあたっての保護者の体験と保護者への支援について、とした。また心理社会的支援を検討するための専門家の協力を得るため、研究への参加を依頼した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究方法について見直しを行ったため。またインタビュー調査までを実施する予定であったが、インタビューガイド作成、調査機関との調整、対象選定基準等、準備に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、身体拘束を受けた患児の保護者に対して、身体拘束が実施された際の保護者の思いと体験を尋ねるインタビューを実施する予定である。インタビューの実施・分析後に、身体拘束実施時の患児と家族への効果的な支援を検討するため、引き続き心理社会的支援方法を検討するための専門家の選定を行う予定である。 また米国では、CLSをはじめとして、医療環境にある子どもや家族に心理社会的支援を提供するシステムについての情報を得ることができる。平成29年10月に国際小児がん学会が開かれるため、この機会を利用して米国の移設の情報収集に行くことを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を変更し、計画遂行が遅れている。そのためインタビュー調査が次年度に繰り越しとなり、予定していた謝金・人件費に未使用額が生じた。 また予定していた国際シンポジウムへの参加ができなかったため、旅費に未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2017年度にデータ収集を開始し、使用を開始する予定である。 インタビュー調査のための謝金・人件費、研究成果の発表・情報収集のため国内外の学会参加費や海外の病院の視察費用、解析のためのソフトの購入、論文作成費用等に使用する予定である。
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