研究課題/領域番号 |
16K20809
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
片田 千尋 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (10708556)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 遺伝リテラシー / 遺伝教育 / 女性 |
研究実績の概要 |
近年、自宅で受検できる簡便な遺伝子検査が登場し、安易な受検が懸念されている。遺伝子検査には女性が関心をもちやすい妊娠・育児等に関連した検査が多くみられるが、遺伝に関する女性の知識不足が報告されており、女性の遺伝子検査の安易な受検がより懸念されている。遺伝子検査で異常が判明した場合、当事者は大きな苦悩を感じると報告されているが、遺伝子検査では被検者本人だけでなく家族に関わる遺伝情報も明らかになるため、家族の苦悩や“知らないでいる権利”の侵害にもつながりうる。したがって、女性が遺伝や遺伝子検査について正しく理解し、十分な熟考のうえで受検するか否かを決定できる能力である“遺伝リテラシー”を向上できるよう支援する必要がある。 平成28年度は、成人女性を対象とした遺伝リテラシーを向上するために、遺伝学的な基礎知識を学習するためのゲーム、遺伝学的検査の方法や信頼性、ヘルスリテラシーを向上するためのグループワーク等から構成される教育プログラムを開発し、その妥当性を検討するための研究を開始した。本研究の倫理審査委員会の承認を受け、20歳以上の文系および理系学部に在籍する女子大学生80名を対象としてワークショップを実施している最中である。研究対象者に教育プログラムの介入前、介入直後、介入3ヶ月後に質問紙に回答してもらい、教育プログラムの妥当性を検討する予定である。次年度は、その研究結果をもとに教育プログラムの修正を行い、20歳以上の一般女性を対象として教育プログラムの有効性を検証する本調査を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
教育プログラムの妥当性を検討するためのプレリミナリー研究として、当初は女子大学生30名を研究対象者とする計画にしていた。しかし、統計学の専門家へのヒアリングを行った結果、対象者数を80名とし、理系および文系の大学生40名ずつを研究対象者とすることとした。そのため、複数の大学への研究協力の依頼等に時間を要し、研究開始が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度から開始しているプレリミナリー研究の結果をもとに、臨床遺伝専門医、産科医、助産師である研究協力者とともに教育プログラムを修正する。その教育プログラムを用いて、平成29年度、30年度に20歳以上の一般女性を研究対象者としてワークショップを行い、教育プログラムの有効性を検証する。その成果について、学会発表および論文作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行が少し遅れているため、研究対象者に介入する教育プログラムの実施も遅れ、研究対象者への謝金が未使用となったことから、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
上記に記載した研究対象者への謝金等に使用する予定である。
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