研究課題/領域番号 |
16K20809
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
片田 千尋 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (10708556)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 遺伝リテラシー / 意思決定 / 遺伝学的検査 / 女性 / 大学生 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、遺伝学的検査の受検について自己決定できる力を向上するために平成29年度に開発した「遺伝リテラシー教育プログラム」の有効性を評価することを目的に、介入を行った。本教育プログラムは、遺伝学の基礎知識を学ぶためのゲーム、遺伝学的検査の信頼性や倫理的法的社会的問題についての講義、医療における難しい選択に関して意思決定力を向上するためのグループディスカッションの3つで構成された、90分間のプログラムである。 女子大学生68名を対象に、計11回(各回4-9名)ワークショップ形式で介入を行った。介入前・介入直後・介入3ヶ月後に質問紙調査を行った結果、完全回答者である59名(86.8%)を対象者とした。介入前・介入直後・3ヶ月後の回答を反復測定分散分析を用いて比較した結果、「遺伝学に関する知識」は有意に上昇し、「遺伝学的検査の受検に関する意思決定の葛藤」は有意に低下がみられた。そのため、本教育プログラムの有効性が示唆され、その成果について学会発表を行った。 しかし、現在の対象者数は当初計画の7割程度であるため、対象者数の追加について専門家より助言を受けた。本教育プログラムは、対象者と双方向のやり取りを必要とするプログラムであり、介入効果を担保するために各回の対象者数を10名未満に制限して開催した。そのため、対象者数が当初計画と比較して少ない状況となった。したがって、統計的には介入の有効性が示唆されたが、2019年度も同様に介入を継続し、教育プログラムの有効性を明らかにしたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝に関する関心の低さなどにより、研究協力依頼をしても応じる対象者が非常に少なく、対象者の確保が困難であった。また、教育プログラムの効果を担保するために、各介入の参加者数を10名未満に制限したことから、教育プログラムの開催日時の都合が合わず、参加できなかった対象者もみられた。以上より、対象者数が当初計画の7割程度となっている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続き、次年度も教育プログラムを用いた介入を行って対象者数を増やし、教育プログラムの有効性を評価したいと考える。 また、本研究成果を論文にまとめ、学術雑誌に投稿したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画の対象者数にまだ到達しておらず介入に関連した支出(謝礼や材料費等)が少ないこと、研究対象者数を増やしてから学術論文を投稿する予定であるため、投稿費用等がまだ未使用であることから、残額が生じた。そのため、引き続き次年度も介入を行い、対象者数を増やすとともに、その成果の発表を行う予定である。
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