本研究は、思春期の口唇裂・口蓋裂の患者と親の視点から、思春期の患者の手術への意思決定の現状を明らかにすることを目的とした。親は、手術への意思決定の主体を徐々に患者に移行しながら、親と患者の意向をすり合わせ、患者が手術に臨めるよう、患者や親子を取り巻く環境に関わっていた。しかし、患者の視点から、患者は手術への意思決定プロセスに十分に関与できていないことが示唆された。医療者は、手術への意思決定を行う際に、患者が理解できる方法で手術に関する説明を行うよう更なる工夫が必要である。さらに、医療者や親は患者が手術への意向を表出できるよう促し、患者の意思をさらに尊重する姿勢を示す必要性が示唆された。
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