研究課題/領域番号 |
16K20813
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
高野 歩 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (00771883)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 物質使用障害 / e-health |
研究実績の概要 |
改良版e-SMARPPと薬物使用者向け健康支援スマートフォンアプリのパイロット調査に向けた準備を行った。パイロット調査(効果評価)のアウトカムとして適した指標を先行研究を参考に検討し、アルコール・薬物問題を有する人におけるセルフスティグマ、メンタルヘルスケアに対する援助希求、アルコール・薬物問題を有する人における行動変容をそれぞれ測定する尺度について文献レビューを行った。日本国内でも使用可能と思われる英語版の尺度を尺度開発ガイドラインに従って翻訳し日本語版尺度を作成した。それらの尺度の信頼性・妥当性の検討を行う研究計画を立案し、今後研究倫理委員会に提出する予定である。 また、スマートフォンアプリのパイロット調査は、小規模なランダム化比較試験のデザインで実施する方針に変更した。薬物使用経験のある人を対象に幅広くリクルートする方法として、ウェブリクルートや人手を介さないで実施するランダム割り付けの方法を研究協力者やアプリ開発を委託している企業と検討しながら開発した。これにより、医療につながっていない薬物依存症者や、薬物依存の状態には至っていない薬物使用者を対象とした支援を提供する準備が整えられた。今後は小規模ランダム化比較試験のプロトコルを作成し、信頼性・妥当性が確認された尺度を用いて効果評価を行う準備を進める予定である。 さらに、海外における薬物使用者の支援について知見を広めるため、サンフランシスコにおける支援の視察を行った。日本の薬物使用者支援に適用できる点について情報収集し、海外の研究者や実践者から助言を得た。 本研究に関連したテーマで原著論文を筆頭著者として2本執筆した。また、国内外の学会や共同研究者と実施した講演会にて成果発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画が一部変更となっているが、研究目的に沿った変更であり、研究期間内におおむね目的を達成できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
パイロット調査を実施するための尺度開発研究を優先して実施し、同時にパイロット調査のプロトコル作成を行う。パイロット調査をランダム化比較試験のデザインで実施するため、パイロット調査に費用と時間が費やされる見込みである。パイロット調査は別途実施する方向で検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費の不足が生じないように年度途中で前倒し請求を行ったが、旅費精算の結果残額が生じた。前倒し請求で次年度予算が不足しているため、研究遂行に支障が出ないよう計画的に執行する。
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