起立性低血圧(OH)の原因となる自律神経障害の評価における、心拍変動解析の有用性を検証した。レム睡眠行動障害22名、健常高齢者43名を対象に起立試験を実施し、起立前(臥位の状態)における心拍変動解析で得られた指標とOHの発生とを比較した。その結果、心拍変動解析の指標のうちSD1/SD2は、OH発生グループで有意に高かった(p=0.004)。SD1/SD2は自律神経障害との関連が報告されていることから、今回の研究ではOHを来たす自律神経障害が、臥位の状態においても検出可能であったと考える。今後、心拍変動解析の応用により、起立性低血圧を事前に検出するシステムの構築が可能になるかもしれない。
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