研究実績の概要 |
本研究の目的はラッシュモデルを用いて,活動の質評価法(A-QOA)の構成概念妥当性,つまり観察項目がスケールとして適しているかどうかを調べ,スケールとして定量化できるかどうかを検証することとした。 対象者は研究協力者が所属する病院あるいは施設の認知症のある者とした。研究協力者が所属している病院あるいは施設にて、観察対象者となる認知症のある者を研究協力者が選んだ。研究協力者が、観察対象者が活動する場面を2種類選択しA-QOAを用いて評価した。対象者に意味があり効果が高いと想定される活動と低いと想定される活動の1つずつ計2つの活動を評価した。 結果として、18人の研究協力者から131名、262場面の観察データが得られた。ラッシュモデルによる分析の結果、A-QOAの25項目の観察項目のうち、21項目が適合度を満たした。適合度の満たさなかった4項目は「活動の参加を妨げる状態がない(Infit MnSq=1.71 ,Outfit MnSq=4.46)」「活動の開始の準備をする(Infit MnSq=1.59 , Outfit MnSq=1.99)」「活動後ネガティブな感情がない(Infit MnSq=1.92 , Outfit MnSq=1.61)」「ネガティブな感情表出がない(Infit MnSq=1.86, Outfit MnSq=1.75)」であった。これらの結果から、この4項目のデータを削除した21項目でラッシュモデルによる分析を再度実施した。この結果、21項目全てで適合を満たした。 この結果から21項目のA-QOAの構成概念妥当性が示された。今後、臨床で活用ができるようにA-QOAの普及が必要と考える。
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