研究課題/領域番号 |
16K20823
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
佐藤 史教 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (20554976)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | シミュレーション / 認知行動療法 / 模擬患者 / メタ認知 |
研究実績の概要 |
研究初年にあたる平成28年度は、プレテストとして認知行動療法に基づく精神看護学シミュレーション教育(模擬患者を用いた様々な症状への対応の演習3回)を実施し、その前後に質問紙調査を実施した。対象者はA大学 看護学部3年生とした。演習は講義の一環として行うため,全員に実施したが,質問紙の回答は自由意思とした.また、質問紙は無記名で,対象者が同意する場合,対象者自ら封をした上で,A大学に設置された箱に投函を依頼した.研究者の所属施設の倫理審査委員会の承認を得た. 演習では、病室に見立てた部屋に模擬患者を配置し,コミュニケーションを通して情報収集を行いながら,看護過程を展開したり,様々な症状への対応を行わせた.模擬患者は臨地実習指導者に依頼し、事前に打ち合わせを重ね,模擬患者間で差異がないようにした.学生は演習の前に各自で目標を設定し,演習後には目標に対する達成度とその理由,演習で学んだこと,できるようになったことなど自己評価を行った。質問紙調査は、①成人用メタ認知尺度、②演習を通しての感想(自由記述)、③POMS2(Profile of Mood States Second Edition)を用いて演習前後に記載を依頼した。対象者のうち、55名から回答が得られた。分析は、SPSS23.0J for Windowsを使用し、演習前後の値についてWilcoxonの符号付順位和検定をした。 POMS2では演習前後で不安感の軽減が見られたが、メタ認知尺度ではメタ認知の向上が見られなかった。本結果を踏まえて、平成29年度の介入方法を修正することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
演習中はiPadを使い、動画撮影を行い、講義終了後に自己学習できるようにする計画であったが、物品の調達に時間を要したため計画通りに進まなかった。また、iPadと研究者用のパソコンの間にシステムを構築し、動画等の共有を図る計画をしたが、物品の調達に時間を要したため、計画通りに進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
iPadと研究者用のパソコンの間にシステムを構築については業者委託を計画している。模擬患者については一般市民のボランティアを募集する計画であったが、募集や育成に時間を要することが予想されるため、平成28年度と同様に臨地実習指導者に依頼する予定とした。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ入力を学生アルバイトに依頼したため、安価で済んだこと、研究の打ち合わせをメールで行うことができたことから、残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
iPadとPCとのシステムの構築が遅れていることから、システム構築の業者委託を検討しており、助成金をそれに充てる計画をしている。
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