研究課題/領域番号 |
16K20827
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研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
田端 真 三重県立看護大学, 看護学部, 助手 (20746359)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / 急性期病院 / 看護師 / 困難感 / 関連要因 |
研究実績の概要 |
急性期病院に勤務する看護師の認知症高齢者への看護に対する困難感に関しては、質的な因子探索的研究が主であり、困難感に影響する要因については、様々な指摘がなされているに止まっているため、認知症高齢者への課題が多いとされる急性期病院における看護の課題に向けたさらなる追究として、これらの関連性を明確にしていくことが重要である。 本研究は、急性期病院に勤務する看護師の認知症高齢者への看護に対する困難感の因子を明確化した上で、困難感に関連する要因を明らかにすることを目的としている。 急性期病院における認知症高齢者への看護に対する困難感については、測定するための既存の尺度等がないため、先行研究をもとに質問項目の作成を行うことが必要となる。そこで、急性期の病棟で勤務する看護師の認知症高齢者への看護に対する困難感に関する質的な因子探索研究9件について、結果の内容に関しての検討を行った。その結果、困難感については「認知症の理解に関すること」「看護の実践に関すること」「周囲の協力・体制に関すること」「看護師の身体・心理的影響に関すること」のいずれかに全ての内容が分類された。したがって、これ以上の新たな分類はないと判断し、この中から質問項目を設定した。また、関連する要因については、先行研究で指摘されている認知症高齢者に対する知識、意識、観念などを個人要因とし、勤務体制やケア環境、サポート体制などを環境要因としてそれぞれ質問項目を設定した。これらの質問項目の内容について検討し、調査で用いる質問紙の作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、質問紙の作成を行えたことで、平成29年度の質問紙配布、収集に移行できるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に沿い、質問紙の配布、収集を行い、データ分析を行う。分析により急性期病院における認知症高齢者への看護に対する困難感の因子構造を明らかにし、さらに、それらに関連する要因を明らかにする。これらの結果を通して、認知症高齢者への看護に対する困難感の軽減や解消のための検討を行い、具体策を示していきたいと考えている。 また、研究成果については報告書、学会発表、論文作成により公表し広く社会に発信していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に質問紙の原稿作成を行ったが、用紙や封筒の購入、印刷業者への発注等など質問紙の印刷に関わることが未実施であり、また質問紙の郵送にかかる切手等の準備が未実施である。また、パソコン周辺機器についても未購入のことから、当初の計画していた使用額と異なり次年度使用額が生じている。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に質問紙の印刷や郵送にかかる準備を行い、計画通り質問紙の配布、収集、データ入力、分析、論文作成を行っていく予定である。 そのため、当該年度の経費と次年度の経費を合わせて質問紙に使用する用紙や封筒の購入、質問紙の印刷のため業者への発注および郵送のための切手等の購入、パソコン周辺機器、データ分析のための解析ソフトの購入を行う。 また、結果についての考察を深めるため年間を通しての書籍・論文講読、学会、セミナー参加等を通して情報や知識の収集を行い、さらに、論文の印刷や英文翻訳、学会投稿を行うための経費使用を計画している。
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