研究課題/領域番号 |
16K20831
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
渡邊 美保 高知県立大学, 看護学部, 講師 (70571313)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 高齢者 / リロケーション / 移行 / ケアガイドライン |
研究実績の概要 |
高齢化率が世界最高の水準に達しているなかで、介護保険の改正や地域包括ケアシステムの構築に向けての取り組みが活発化している。世界に例をみない人口高齢化のなかで、高齢者の入院・退院・移転といったリロケーション(移転)は、増々活発化することが予測される。そのため、早い段階からリロケーションダメージを軽減し、シームレスな移行を支援するための高齢者のリロケーションを促進する看護が求められている。 本研究では、高齢者の入院・転院における適応を促し、身体的・心理的苦痛から生じるリロケーションダメージの回避と看護介入の充実を目指し、研究者が取り組んできた高齢者のリロケーションを促進する看護介入とTransition Theoryを参考にケアガイドラインを作成し、『高齢者のリロケーションを支援するケアガイドライン』を開発することを目的としている。 平成30年度は、高齢者の在宅復帰の要となる回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟をもつ医療施設の看護師を対象に「高齢者のリロケーションを促進する看護介入」の研究成果をもとにインタビュー調査を実施した。さらに、国際学会での発表、誌上発表を実施した。 今後、得られた研究成果の分析を継続するとともに、分析内容について老人看護専門看護師、慢性疾患看護専門看護師を対象に、ピア・デブリーフィーリングを実施し、ケアガイドライン(案)の内容妥当性を検討し、臨床現場におけるケアガイドラインの活用を目指し、改善を重ねていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成30年度は、前年度に研究の承諾を得ていた2施設の回復期リハビリテーション病院に勤務する看護師の実践事例ならびにケアガイドライン(案)の内容に関して半構造化面接を実施できた。さらに、これまでの研究成果は、22rd East Asian Forum of Nursing Scholars (EAFONS)の国際学会で研究成果を発表するとともに誌上発表を行うことができた。 一方、臨床現場における活用を目指すためには、さらに検討を重ね、臨床現場で活用しやすい表現になっているかケアガイドライン(案)の精錬を行う必要がある。以上のことより、当初の計画より進捗状況は「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者のリロケーションを促進するケアガイドライン(案)の精錬と臨床現場の導入に向け、研究成果の分析と内容妥当性の検討・修正を行う。 令和元年6月~令和元年8月:分析内容について、老年看護専門看護師、慢性疾患看護専門看護師を対象に、ピア・デブリーフィーリングに基づいてケアガイドライン(案)の内容妥当性を検証する。 令和元年9月~令和元年10月:ピア・デブリーフィーリングをもとに、ケアガイドラインに用いている用語や概念の洗練化を図り、内容を修正する。 令和元年11月~令和2年3月:国際学会における発表と論文投稿の着手に取り組み、研究成果を広く発信する。
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