研究課題/領域番号 |
16K20835
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
樋口 大輔 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (80736265)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 慢性疼痛 / 健康関連QOL / 身体活動量 |
研究実績の概要 |
本研究は腰部脊柱管狭窄症の手術後も痛みが残っている高齢者において痛みの対処方法や痛みのとらえ方がメンタルヘルスや普段の活動量に影響を与えているかどうかを確かめ、さらに、痛みの対処方法を変化させることでメンタルヘルスや普段の活動量が改善するかどうかを検討することを通じ、慢性的な痛みのある高齢者における在宅リハモデルを確立させることを目的としている。 過去2年間の研究により、腰部脊柱管狭窄症の手術後も痛みが残っている高齢者は健康関連QOL(生活の質)が低下しており、また、その健康関連QOLは痛みの強さだけではなく痛みの対処方法(消極的対処=安静臥床、積極的対処=身体活動量の増加)の影響を受けていることが分かった。 そこで、平成30年度においては、引き続き腰部脊柱管狭窄症の手術後も痛みが残っている高齢者を対象に、積極的対処である身体活動量の増加を狙った介入研究を企画したものの、実施環境が十分に整えられなかった。そこで、健康関連QOLを調査するとともに、身体活動量を活動量計(オムロン社製HJA-750C)を用いて定量的に測定する観察研究に切り替え、健康関連QOLと身体活動量の関係を定量的に検証した。その結果、低強度よりも中等度の強度の生活活動を多く行うほど、健康関連QOLの一側面(全体的な健康感)が良好であったことが確認された。この結果から、痛みへの消極的な対処方法を選択する機会を減らし、中等度の強度の身体活動を向上させるように導くことが健康関連QOLの改善につながることがひとつの可能性として示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来は身体活動量を増加させることを狙った介入研究を行うことを計画したが、その環境が十分に整わなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、介入研究から観察研究に切り替え、活動量計を用いて活動量を定量的に測定するとともに、それと健康関連QOLとの関連性を検証している。残り1年間、調査を継続し、データを蓄積することで、研究成果を充実させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
介入研究から観察研究に切り替えたことと、活動量計を安価に購入することができたことから次年度使用額が生じた。次年度使用額は、観察研究を継続するのに必要な費用と研究成果の公表に要する費用に充当する予定である。
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