研究課題
本研究のねらいは、認知症高齢者を自宅で介護する家族を対象として、認知症介護の自己効力感の向上を目的としたプログラム(以下、SE向上PGM)を広く普及させることである。その中で、平成28年度は、1.認知症介護自己効力感向上プログラム(以下、SE向上PGM)の拡充に向けての質的研究と2.SE向上PGMの内容を拡充した冊子化の検討を行うことを目的として研究を行った。1.については、これまで継続して行ってきたSE向上PGMを実施し、PGMに参加した家族の会話内容から、家族介護者が認知症高齢者とどのように言い争い対応をしているか、また現在どのような困り事で悩んでいるかについて具体的に把握することができた。特にこれまでのSE向上PGMで参加者からあまり語られなかった性的内容に関する困り事について複数の参加者から語られた。このような悩みは多くの家族介護者が抱えているものの表出できていない可能性があると考えられた。したがって、本PGMに事例として追加することを検討していくことで、家族介護者が表出しやすい環境を作ること、すなわち家族介護者の抑うつといった精神的苦痛を軽減することにつなげられる可能性があると考えている。また、事例研究として個別の例にはなるが、質的研究として成果を可視化することを検討していきたいと考えている。2.については、1.の内容を踏まえ、継続して検討を行っている。冊子化の作成に向けて引き続き検討を行う。
2: おおむね順調に進展している
SE向上PGMの冊子化を目標に、どのような内容を拡充させることが家族介護者にとって有益かを検討してきたことから、拡充内容について具体的に検討することができた。冊子化の具体化と新たに作成した冊子を用いた介入研究を実施にするために、引き続き研究を行っていきたい。
今年度も従来の計画に沿って計画を進める。具体的には、1.SE向上PGMの内容を拡充した冊子の作成と2.冊子を用いたSE向上PGMの実施・評価、を開始したい。2.に関しては協力機関との調整が必要であり、交渉や検討を重ねていきたいと考えている。
交通費やプログラム開催に伴う費用について申請手続きが間に合わなかず私費で払ったものが数件発生した。
データ分析に関わる費用やプログラム実施に関わる費用に充てたいと考えている。
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