研究課題/領域番号 |
16K20852
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
増田 郁美 浜松医科大学, 医学部, 助教 (80771667)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 在日外国人 / 技能実習生 / 精神的健康 / メンタルヘルス / ベトナム人 / 新型コロナウイルス感染症 / COVID-19 / 質的研究 |
研究実績の概要 |
2021年度は収集したデータを、ベトナム人技能実習生の日本語能力の不十分さによる生活上の困難について考慮したうえで、「新型コロナウイルス感染症流行下におけるメンタルヘルスと生活状況」に焦点をあてて分析を遂行した。分析過程において対象者が語った内容には、文化的背景や技能実習の制度上の文脈解釈が難しい部分があるため、ベトナム人研究協力者と意見交換をしながら、時間をかけて丁寧に実施した。その結果、データ分析では、分析テーマと分析焦点者の二つの視点からデータをみるだけでなく、文化の違いなどから生ずる疑問点を解消し、反映させながら、概念を生成することができた。 このように、今年度は主に、分析時に解釈のずれがないよう、研究協力者とのディスカッションを重ね、語りの内容や意図を適切に理解し、時間をかけて丁寧に分析した。これにより、ベトナムの慣習・文化も鑑みて、データの解釈を行うことができ、結果の質の担保に大きく寄与するものとなったと考えられる。 上記以外に、技能実習生をベトナムから送り出す機関の運営実務者から、ベトナム人の習慣や特性、技能実習を希望する生活背景およびコロナ禍により技能実習が中断されている現状についても助言や情報提供を受け、参考にしながら実施した。 なお、2021年度は、データ分析を行ったのちに、新たにインタビューを予定したが、9名のデータ分析の結果、理論的飽和に近づいたと考えられた。そのため、データ収集を中止し、分析に重点を置いたため、追加のインタビューを行っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析時に解釈のずれがないよう、研究協力者と打ち合わせを密に重ねる必要があったことと、初めての取り組みである分析ワークシートを用いた継続的比較分析を実施したことで、当初想定した以上に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となるため、学会での口頭発表、論文作成および投稿を通して、研究の成果の発信と社会への還元に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症対策のため、学会等がオンラインとなり、旅費等の支出が減ったため助成金の次年度使用額が発生した。次年度は、自身の研究成果の学会発表やその準備、論文投稿等に向けて当該助成金を使用する予定である。
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