研究課題/領域番号 |
16K20856
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
多田 美由貴 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 助教 (50732004)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ヘルスリテラシー / 育児リテラシー / 育児支援 / 乳幼児 / 母親 |
研究実績の概要 |
本研究は、適切な健康情報に基づき健康行動を起こすことができる力であるヘルスリテラシーの中でも、乳幼児をもつ母親を対象に育児に関するヘルスリテラシー(以下、育児リテラシー)を測定する尺度を開発することを目的としている。 前年度に行った文献検討から、海外では育児リテラシーに関する文献はいくつかみられたが、識字・教育レベルが日本と異なっており、概念をそのまま用いることは困難な状況であることがわかった。日本国内では育児リテラシーに焦点をあてた文献自体が非常に少なかった。そこで、まずは日頃から地域で育児支援に取り組んでいる保健師が考える乳幼児をもつ母親の育児リテラシー(育児情報の獲得・理解・評価・活用に対する考え)について整理し、育児リテラシーの概念を明確に定義する必要があると考えた。 平成29年度は、乳幼児をもつ母親の育児リテラシー測定尺度の開発過程として、概念の明確化および尺度開発に向けた項目選定のための基礎調査(インタビュー調査)を実施した。具体的には、母子保健担当の保健師5名に約1時間の個別インタビューを実施した。保健師の属性は、全員女性で年齢は20代~50代、保健師歴は4~27年、母子保健担当歴は3~27年であった。現在インタビュー内容を分析しているところである。 今後は、保健師へのインタビュー分析結果をもとに、前年度作成していた母親へのインタビューガイドを追加・修正し、母親へのインタビュー調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、母親に対するインタビュー調査を実施する予定であったものの、育児リテラシーの概念をより明確にして尺度開発にあたるためには、保健師が考える育児リテラシーについて整理する必要があると考えたため、当初の予定にはなかった保健師へのインタビュー調査を計画し、実施したため、進捗状況がやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年度に追加調査した保健師へのインタビュー分析結果をもとに、以前に作成していた母親を対象としたインタビューガイドを追加・修正し、所属の倫理審査委員会に提出して承認を得た後、母親を対象としたインタビュー調査を実施する予定である。 その後、保健師と母親の両者への分析結果と既存のヘルスリテラシー尺度から、育児リテラシー測定尺度の開発に向けた項目選定を行う予定である。項目選定を行う際には、保健所・保健センターに勤務する母子保健担当の保健師および地域看護学を専門とする教育研究者から、育児リテラシーの概念および項目選定が妥当であるか実践者の立場から意見を得て、次年度からの予備調査・本調査に向けて修正等行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度、母親へのインタビュー調査を実施するために必要な物品や協力者への謝礼として使用する。また、研究成果を学会で発表するための参加費、旅費等として使用することを予定しており、繰越費用については使用計画ができている。 具体的には、研究に関する書籍・文献費、協力者への謝礼金(または謝礼品)、インタビューの逐語録起こし、通信・交通費、学会誌投稿費、論文別刷り費、学会参加費(旅費含む)で使用する予定である。
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