本研究は、思春期ピアを活用した中学生のメンタルヘルスリテラシー向上のための継続的プログラムの開発を目的としている。思春期の時期に、中学生が正しい知識と行動・習慣を身につけ、将来の精神疾患の発症や重症化を予防できることは重要であると考えられる。 本研究では、研究期間を通じて、継続して多職種連携協働チームの協力を得た。多職種連携協働チームの協力を得て完成した思春期ピア養成プログラムを用いて、研究期間合計で、思春期ピア学生は6名養成した。 1年目と2年目には、継続してモデル校で健康教育プログラムを実施し、効果検証を重ねてきた。その結果、メンタルヘルスリテラシーの構成概念の一部である「精神疾患の予防のための知識や考え」に関連したストレスに関する予防や知識など複数の好ましい変化が認められた。また、ストレスコーピング特性とソーシャルキャピタルには多くの下位尺度で関連していることも明らかになった。 3年目には、思春期ピア学生にも実際の健康教育プログラムで、ストレスに関する体験談を、自分自身の言葉で直接中学生に向けて話してもらった。その結果、健康教育プログラムを受講した中学生の自由記載結果から、思春期ピア学生のストレス解消方法に共感できたことが明らかになった。 4年目の最終年は、3年間取り組んできたモデル校以外の他の地方自治体の公立中学校で健康教育プログラムを実施し、モデル校以外でもその効果を確認することができた。
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