本研究の目的は、地域高齢者のヘルスリテラシーと服薬管理状況の関連性をあきらかにすることにより、高齢者の服薬管理能力を向上させるための具体的方法について検討することである。 申請者が2014年に行った調査では、65歳以上の女性では、ヘルスリテラシーの得点が高い者に薬の自己中断・自己判断による服薬量の変更を経験した者が多いという結果を得た。しかし、この調査では対象者の疾患や通院状況、自己中断した薬の種類の特定に至らなかったため、服薬管理に影響を及ぼす要因をより詳細に加え、再検討する必要がある。 本研究では、ヘルスリテラシー尺度の3つの下位尺度「機能的ヘルスリテラシー」「批判的ヘルスリテラシー」「伝達ヘルスリテラシー」の得点と服薬管理状況の関連性を、地域の高齢者事業参加者を対象に質問紙調査で検討する予定であった。 本年度は、服薬管理に影響を及ぼす要因を含む質問紙用紙の作成を行い、所属機関の倫理審査の承認を得た。
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