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2016 年度 実施状況報告書

高い空間認識特性を持つ結晶粒・結晶方位の逆極点図イメージング

研究課題

研究課題/領域番号 16K20876
研究機関北海道大学

研究代表者

佐藤 博隆  北海道大学, 工学研究院, 助教 (30610779)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード中性子 / イメージング / 結晶粒 / 結晶方位 / 逆極点図 / ブラッグディップ
研究実績の概要

本研究では、中性子回折イメージングよりも高い空間分解能が期待される「中性子透過イメージングによるバルク結晶粒の結晶方位イメージング」を開発することを目的としている。今年度は、パルス中性子透過イメージング実験で得られるブラッグディップ透過率スペクトルパターンの新しい解析法である「データベースマッチング法」により、結晶粒の結晶方位イメージング法を開発し、従来法である(がサンプル表面のみが評価可能な)EBSDとの比較を行った。その結果、従来法では情報を得ることのできない積層された複数の結晶粒の結晶方位同定が個々にできていることがわかった。また、EBSDとほぼ同じ方位を同定できていることもわかった。しかしその方位差は約8°あり、パルス中性子透過イメージングの結果の信頼性を確認するため、データベースマッチング法の指数付けの結果とブラッグディップの深さの関係を調べたところ、複数の指数が重なったディップの深さがより深くなっていることがわかり、中性子透過率スペクトルの結晶方位解析はきちんと行われていることが確認できた。以上のことから、中性子透過法とEBSDでは、結晶粒バルク全体を観測しているか、結晶粒表面を観測しているかが異なっていることが明らかとなり、両者の使い分けの指針を得ることにもなった。このように初年度では中性子透過イメージングによるバルク結晶粒の2D結晶方位イメージングを予定通り開発することができた。なお、このイメージング結果は、結晶方位を認識しやすい逆極点図表示されたもので、これも予定通り実施することができた。現在、この成果は国際学術雑誌に投稿中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通り結晶粒の結晶方位を2次元的に逆極点図イメージングできた。また、従来法であるEBSDとの比較も行い、それぞれの違いを明らかにすると共に、開発した手法の結晶方位決定精度も確認できた。また、指数付けの結果から、複数の指数が重なった場合、ブラッグディップの深さが深くなることが確認された。

今後の研究の推進方策

次年度以降は3Dイメージング化を目指して、さらにデータ解析手法を高度化していく。サンプルは初年度に使用したものの3Dイメージング用サンプルを用意する。また、コンパクト加速器中性子源でも実験が可能であることが見込まれるため、コンパクト加速器中性子源における実験も計画している。

次年度使用額が生じた理由

論文の英文校閲の完了が年度末となったため。

次年度使用額の使用計画

論文の英文校閲として使用

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 中性子透過ブラッグエッジ法による金属組織情報のイメージング2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤博隆
    • 雑誌名

      日本金属学会報『まてりあ』

      巻: 55 ページ: 532-536

    • DOI

      http://doi.org/10.2320/materia.55.532

  • [学会発表] 透過スペクトル解析による結晶組織構造情報の定量的可視化2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤博隆
    • 学会等名
      中性子産業利用推進協議会平成28年度非破壊検査・可視化・分析技術研究会
    • 発表場所
      エッサム神田ホール(東京都千代田区)
    • 年月日
      2017-02-15
    • 招待講演
  • [学会発表] Bragg-edge/dip transmission imaging at accelerator-driven pulsed neutron sources HUNS and J-PARC MLF for engineering materials research2017

    • 著者名/発表者名
      Hirotaka Sato
    • 学会等名
      Special Lecture at Nuclear Systems Division, School of Mechanical Engineering, Pusan National University
    • 発表場所
      Busan, Korea
    • 年月日
      2017-02-01
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 中性子透過ブラッグイメージングによる結晶組織構造パラメーターの広範囲可視化2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤博隆
    • 学会等名
      中性子産業利用推進協議会平成28年度金属組織研究会
    • 発表場所
      エッサム神田ホール(東京都千代田区)
    • 年月日
      2016-11-11
    • 招待講演
  • [学会発表] Mapping of inverse pole figure of crystalline grains by pulsed neutron transmission2016

    • 著者名/発表者名
      H. Sato, Y. Shiota, S. Morooka, Y. Todaka, N. Adachi, S. Sadamatsu, K. Oikawa, M. Harada, S. Zhang, Y. Su, T. Kamiyama, M. Ohnuma, M. Furusaka, T. Shinohara and Y. Kiyanagi
    • 学会等名
      8th International Topical Meeting on Neutron Radiography (ITMNR-8)
    • 発表場所
      Beijing, China
    • 年月日
      2016-09-05
    • 国際学会
  • [学会発表] Grain orientation imaging by pulsed neutron transmission measurements2016

    • 著者名/発表者名
      H. Sato, Y. Shiota, S. Morooka, Y. Todaka, K. Oikawa, M. Harada, S. Zhang, Y. Su, T. Kamiyama, M. Ohnuma, M. Furusaka, T. Shinohara and Y. Kiyanagi
    • 学会等名
      8th International Workshop on Neutron Wavelength Dependent Imaging (NEUWAVE-8)
    • 発表場所
      Abingdon, UK
    • 年月日
      2016-06-13
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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