研究課題/領域番号 |
16K20877
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 一生 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (90638280)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 瞑想 / 外傷性脳損傷 / fMRI / 脳波 / 注意機能 |
研究実績の概要 |
本研究は外傷性脳損傷患者に対し瞑想訓練を行うことで、resting state時の脳活動 (何もしていない、安静時の脳活動)であるdefault mode networkを変化させ、その影響が神経心理学的検査にも反映されるかを検討するものである。先行研究を検討していく中で、実際に瞑想状態に入っているのかを客観的指標で確認する必要があると判断した。そこで、脳波を使用し、瞑想状態を確認するための研究を追加した。現在、脳波測定時に実施する課題等の実験準備を行っている。外傷性脳損傷患者が瞑想訓練を効果的に行っているかを客観的な指標で示すことは、訓練効果や、瞑想による脳機能変化を検討するうえで非常に重要であり、今後の研究を進めていくうえで、この研究の追加は必須であると考えている。また、瞑想状態を脳波の変化から定義することができれば、フィードバックなどの手法を用いて、より効果的な瞑想法を提案できるかもしれない。 当初の研究課題であるfMRIを使用した実験に関しても、並行して準備を進めている。fMRI使用にあたっての安全講習の受講や、使用者登録は既に完了している。またfMRI撮像時の実験課題であるAttention network testの作成も進めており、ほぼ完成している。 瞑想状態が我々の脳活動にどのような影響を与えるのか、また、瞑想を用いた訓練が外傷性脳損傷患者の注意、記憶、遂行などの認知機能に対して有効であるのか、脳波、fMRI、神経心理学的検査などの評価を通して明らかにしたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先行研究を検討し、被験者が実際に瞑想状態に入っていることを、客観的な指標で確認する必要性があると判断した。そのため、外傷性脳損傷患者に協力依頼する実験の前段階として、瞑想状態に入っていることを確認するための実験として脳波を用いた研究を計画している。その計画の立案と、課題準備のため、進捗状況がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
追加した瞑想状態にはいれているかの確認のための脳波研究を可及的すみやかに遂行する。追加研究の被験者は健常成人であるため、代表者の所属大学からの被験者募集が可能である。その研究結果をもとに、修正が必要な点は修正し、外傷性脳損傷患者を対象とした研究課題に取り組みたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、追加で実施する研究の計画立案、準備に時間がかかり、fMRIのデータ収集まで実験が進まなかった。そのため、MRI使用料、被験者謝金、MRI解析用ソフト購入分の予算が支出されなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度はMRI、脳波実験を実施し、機材(MRI)使用料、被験者謝金として、今年度使用に至らなかった予算を使用する。またデータ取得後、fMRIデータの解析用ソフトを購入する。
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