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2017 年度 実績報告書

細胞競合を標的とした新規がん治療薬・診断マーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K20879
研究機関北海道大学

研究代表者

森田 智子  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 客員研究員 (10767750)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード細胞競合 / 抗がん物質探索 / 創薬 / 癌 / 細胞・組織 / スクリーニング
研究実績の概要

私たちや他のグループの研究によって、上皮細胞において正常細胞に囲まれた変異細胞は「細胞競合」と呼ばれる現象により組織から排除されることが分かってきた。本研究は正常上皮細胞に囲まれた変異細胞が積極的に排除されるメカニズムであるEpithelial Defense Against Cancer (EDAC)を促進する低分子化合物を同定し、細胞競合の包括的な理解と新規のがん治療薬・診断マーカーの開発を目指している。
本年度はハイスループットスクリーニングによる約17万種の低分子化合物の探索を終了した。得られたヒット化合物は、機能未知化合物群、抗炎症薬群、脂質異常症治療薬群の大きく3群に分類できた。機能未知化合物群は共通する構造を有していたことから、この共通構造を基に誘導体を合成し、効果の検討を行った。MDCK細胞とテトラサイクリン発現誘導性MDCK-pTR GFP-RasV12細胞を10:1の割合で混合し、単層の細胞層を形成した後にテトラサイクリンと同時に化合物を添加した。一定時間後にGFP蛍光強度を測定することでGFP-RasV12細胞の排除効率を評価した。最も効果的にGFP-RasV12細胞を減少させるのは、共通構造のmeta位にメチル基を付加した化合物であり、GFP-RasV12細胞を約25%減少させる効果を有することが明らかになった。また、抗炎症薬群に属するヒット化合物を細胞競合モデルマウスに投与し、膵管上皮細胞におけるGFP-RasV12変異細胞の排除効率を計測した。その結果、抗炎症薬を投与したマウス群では膵管上皮に留まるGFP-RasV12変異細胞の割合が29%から21%と有意に減少し、GFP-RasV12変異細胞の排除が亢進していることが明らかになった。これらの成果から、抗炎症薬は難治性癌として知られる膵癌に対し予防的効果を有する可能性を見出した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 正常細胞の抗腫瘍能を促進する低分子化合物の探索2017

    • 著者名/発表者名
      森田智子
    • 学会等名
      第6回 細胞競合コロキウム

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公開日: 2018-12-17  

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