本研究は精漿を利用したブタの繁殖成績の向上を目指し、精漿に含まれるタンパク質の機能と子宮内膜上皮の免疫反応に焦点をあて、精漿が受胎性におよぼす影響を明らかにすることを目的としている。 本研究では、精漿のろ過条件を探ると共に、子宮内膜上皮細胞を単離し培養する条件を見出した。この培養下の細胞に対し精漿を添加した結果、複数の伝達因子についてmRNA発現量の変化が認められた。特に、精漿中の低分子物質が子宮内膜上皮細胞におけるIL-8およびCOX-2発現に寄与すること、IL-6発現には低分子物質が関与しないこと、さらにはIL-1β発現には補体等以外のタンパク質が作用する可能性があることが明らかになった。
|