研究課題
脳皮質電位(ECoG: electrocorticogram)の高周波成分(HGA: high gamma activity)を用いた脳機能マッピング法の有用性について研究を行ってきた。これまでに覚醒下手術症例、および、てんかん外科手術に対して本マッピング法を臨床応用し、従来の脳皮質電気刺激マッピング(ESM: Electrical stimulation mapping)と比較して精度が高く、短時間で侵襲の少ない有用なマッピング法であったことを報告してきた。本年度は、HGAマッピングの応用として頭蓋底マッピング、さらには、非覚醒下での言語機能マッピングの実現に向けて研究を継続した。頭蓋底マッピングに関しては、右側頭葉底部の紡錘状回に顔認知領域(FFA: fusiform facial area)をHGAマッピングで確認し、てんかん外科手術で同領域を温存することに成功した。特に、同部位でのESMで顔の変化を捉えることができ、その結果をPNASに共著で発表した。また、非覚醒下での言語マッピングに関しては、HGAマッピングの受動的なリスニング課題と皮質皮質間誘発電位(CCEP: cortico-cortical evoked potential)を組み合わせることで、言語課題遂行することなく前頭葉言語野(Broca野)、および側頭葉言語野(Wernicke野)を同定することに成功した。この結果に関しては国内学会にて発表し、その発表内容が評価されて和文として論文発表した。これらの研究内容に関しては国内のみならず海外からも注目され、国際学会での招待講演も行い、研究成果の発信を継続して行っている。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Journal of Neural Engineering
巻: 15 ページ: 1-17
https://doi.org/10.1088/1741-2552/aaa9f6.
CI研究
巻: in press ページ: in press
PNAS
https://doi.org/10.1073/pnas.1713447114