研究課題/領域番号 |
16K20889
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
安田 小響 弘前大学, 医学研究科, 特任助手 (50743465)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 感覚処理特性 / 発達障害 |
研究実績の概要 |
本研究は、子どもの発達障害特性と感覚処理特性の関連を検討するとともに、困難さを抱えやすい場面や不適応との関連を明らかにし、就学前に支援するためのツールを開発することを目的としている。平成28年度は主にデータの収集と、発達障害特性と特異な感覚処理特性の関連を検討することであった。 ①データ収集:対象者に対し、本研究で使用する短縮版感覚プロファイルを配布・回収し、Vineland-Ⅱ適応行動尺度を用いた日常生活での適応状態を測定した。 ②発達障害特性と特異な感覚処理特性の関連:短縮版感覚プロファイルのデータが整えられた81名分(ASD診断3名、ADHD診断19名、ASD+ADHD重複13名、診断なし46名)を解析した。ASD・ADHD診断有群での全般的な感覚情報処理の特性や、感覚刺激に対する反応程度の低さや感覚刺激への探求、音の使用や遮断に関する情報処理様式の特異性が認められ、発達障害特性と感覚処理特性の間も様々な関連が見られた。これらのことから、発達障害特性を持つ児は、ASDにおける社会性の問題やこだわり、ADHDにおける不注意さや多動性・衝動性のみならず、感覚処理の特性の違いによっても日常生活での不適応や困難さを抱えている可能性が伺えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は主にデータ収集を行う予定であったが、おおむね当初の計画に従ってデータ収集が出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
データ収集が順調であることから、当初の計画に従い、①各発達障害に関連する感覚処理のパターンや特異性の程度を検討する。②発達障害を持つ児の年長児と小学1年生時点での日常生活の適応状態を検査し、感覚処理に問題を抱える児にみられやすい生活の困難場面や状況、感覚処理と不適応の相関を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初外国旅費を29年度に計上していたが、28年度に使用することとなり、予定していた謝金費用が不足したため前倒し支払い請求を行った。しかしその後データ入力の多くを29年度に持ち越すことにしたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度に収集したデータの入力作業も29年度に行うため、その際のスタッフへの謝金として使用する。
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