研究課題
若手研究(B)
本研究は、発達障害を抱える児が有しやすい感覚処理の特徴を明らかにするとともに、それらの特徴が日常生活でどのような困難さに結びついているのかを検討することを目的とした。各診断群の感覚処理特性の差の検討から、発達障害合併群での感覚処理特性の強さが確認された。また、保護者への半構造化面接より、年齢相応に求められる他者への気配りや謝罪の有無など対処スキルの面で、困難さを抱えやすいことが明らかになった。
臨床心理学
本研究より、発達障害を抱える児の感覚処理特性の強さや特徴、日常生活での困難さ等が確認された。これらのことから、ASDにおける社会性の問題やこだわり、ADHDにおける不注意さや多動性・衝動性のみならず、発達障害児が有する感覚処理特性についても注目することの重要性が示された。個別の感覚処理特性を把握することで、子どもへの理解が深まり、より効果的な個別支援方法の立案が可能になると考えられる。よって、本研究は発達障害を抱える子どもや支援する人々にとっても有益なものであると考える。