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2018 年度 実績報告書

脳卒中後遺症シミュレーターと寝たきり高齢者疑似体験システムの開発による教育の試み

研究課題

研究課題/領域番号 16K20890
研究機関弘前大学

研究代表者

小林 只  弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (10736391)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードシミュレーター / 介護動作 / 脳卒中後遺症 / 関節拘縮 / 寝たきり / 教育 / 高齢者 / 骨折
研究実績の概要

現在日本では、「寝たきり高齢者」の介護負担による医療職や患者家族の「介護退職」が激増している。介護者一人ひとりの負担を軽減するためには、より多くの人材が寝たきり患者の4割を占める脳卒中後遺症患者に対する適切な介護技術を習得する必要がある。しかし、そのトレーニングは、家族はおろか医療者にさえ事前学習なしに実際の現場におけるon the job trainingで行われており、介護現場の事故が世間で話題になっている。そこで今回、寝たきり拘縮状態の患者のおむつ交換時や椅子移乗時のトラブル(例:各関節部への負荷で生じる骨折)を防ぐために、既存の介護シミュレーターを一部改造し、股関節・膝関節・足関節の拘縮状態を再現し、過剰な介護動作で骨折を訓練者に知らせる仕組み(角度および圧制御センサーの組み込み)を備えた「右股関節拘縮シミュレーターの開発」を開発し、医学生を対象にoff the job trainingの有用性を検証した。
大学内の倫理委員会に研究承認を得た後、H30年1月より、医学部5年生17名を対象に、本シミュレーターを用いたシナリオ学習(介護動作で大腿骨頸部骨折が発生してしまった医療者から報告を受けた医師として、その医療者および家族にどのように対応・説明するか)を行い、その教育効果を混合研究法により検証した。具体的には、学習者の高齢者介護の経験をベースラインの確認、シナリオ学習前後のアンケート調査、および学習中の学生のビデオ記録による行動観察を行った。その後、修正グラウンデッド・セオリーを用いて質的に解析後、KJ法により概念化した。結果、「事故への責任回避行動が減り、現場対応への真摯な態度が増えた」、「事故に対する当事者意識が強化された」、「具体的な再発予防への意識と行動が増えた」、「医療者や家族の心情への配慮」などの要素が教育効果として検出された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 総合診療医による高齢化社会対応学~身近な医療の発展的転換を図るための機器開発と教育手法の構築~2018

    • 著者名/発表者名
      小林只、米田博輝、 穐元崇、平野貴大、大沢弘、加藤博之
    • 学会等名
      第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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