CRFニューロン蛍光可視化マウス(CRF-Venusマウス)におけるVenus陽性ニューロンの性格づけを行うため,急性脳スライスを用い以下の電気生理学的検討を行った.視床下部室傍核におけるVenusニューロンを-60mVに電位固定し興奮性シナプス後電流(EPSC)を観察した.EPSCがnon-NMDA拮抗薬 CNQX(20μM)およびNMDA拮抗薬AP5(100μM)で遮断されることを確認した.よってVenus陽性ニューロンにグルタミン酸作動性入力が存在することが証明された.次にgramicidin添加により細胞内Clイオンがピペット内液に置き換わるのを抑えた条件で,CNQX,AP5存在下で抑制性後シナプス電流(IPSC)を観察した.IPSCはGABA受容体アンタゴニストであるgabazine(20μM)で完全に消失した.よってVenus陽性ニューロンにGABA作動性入力が存在することが証明された.また,CRFニューロン選択的ChR2発現マウス(ChR2-mCherry/CRF-iCreΔNeo)を用いた検討では,ほぼ全てのCRFニューロンにChR2が発現した.CRFニューロンは青色光により脱分極・発火した.TTXは青色光によるCRFニューロンの発火を阻害した.Cdは青色光によるCRFニューロンの発火を抑制しなかった.CRFニューロンへの青色光照射によりPVHや他の脳領域においてc-Fos発現が増加した.
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