地すべり多発地帯である白神山地において、詳細な地形データを用いた地形の解析によって、地すべり地形と変位を同定し、地質踏査によって地質構造を検討した。大川地すべり地において、多時期の地形データで比較した結果、水平変位量は0.1-9.7mがあった。地すべりは、大きく北と南のブロックに分けられ、それぞれ南西と西北への変位が進行した。南ブロックにおいて、植生を載せたまま滑り落ちた島状土塊がみられ、この土塊は8年間にかけて約7m移動している。変位量が最も大きい所は、二次滑落崖での3-9mと末端部での2-8m。河川が右岸に集中したことにより末端部の浸食が進行し、地すべりが再活動化した可能性がある。
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